2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対するBCGを用いた新規抗癌剤併用療法の開発
Project/Area Number |
24791998
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 純 岡山大学, 大学病院, 助教 (40362983)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | BCG / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
BCG(Bacillus Calmette-Guerin)生菌療法は、現在、表在性膀胱癌に限られ臨床利用されている。研究段階ながら、われわれも、動物実験を通じて口腔癌に対するBCGによる様々な効果を明らかにすべく、より臨床に近い投薬手法として、腫瘍摘出術後の化学療法を模し、背部皮下移植腫瘍摘出後のマウスを用いてBCG生菌ならびに5-FU併用投与を行い、延命効果などを検討した。 C3H:HeNマウスに対して、同マウス由来頬部扁平上皮癌sq-1979株を背部皮下に播種担癌させ、モデルマウスを作製。実験全体を通じて供した。初期段階の腫瘍へのBCG投薬の影響を検討すべく、マウス背部腫瘍播種日よりBCG菌株と5-FUの単独、併用投与(非投与コントロール群、5-FU投与群、5-FU/BCG併用投与群、BCG投与群)を週1回、9週行った。また、腫瘍摘出後の再発転移へのBCGの影響を検討すべく、播種腫瘍が一定の大きさに達した時点で摘出したモデルマウスも作製し、上記同様の投薬を週1回、死亡するまで行い、腫瘍再発率、遠隔転移率、生存率、免疫組織学的検討等、多角的に解析した。 初期腫瘍を模したマウスモデルにおける腫瘍増大効果は5-FU/BCG併用投与群において若干認めるものの、有意ではなかった。一方、腫瘍摘出後より投薬を開始したマウスモデルにおいて、背部皮下での局所腫瘍再発はBCG単独投与群では抑制できず、5-FU群もしくは5-FU/BCG併用投与群において抑制された。特に5-FU/BCG併用投与群において再発率の低下を認めた。また、5-FU/BCG併用群において肺転移が抑制された。各群における生存率の比較では、5-FU、BCG単独投与群では生存率の向上は認められるものの、有意ではなかった。一方、5-FU/BCG併用投与群は有意に生存率の向上を認め、延命に寄与する事が明らかとなった。
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