2014 Fiscal Year Annual Research Report
活性型リンパ球と破骨細胞前駆細胞の相互作用による破骨細胞分化調節機能の解明
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24792008
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川戸 貴行 日本大学, 歯学部, 准教授 (50386075)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | IL-18 / IL-18 binding protein / GM-CSF / RAW264.7 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞の分化は、様々なサイトカインによって調節される。RANKLは、破骨細胞前駆細胞に作用し、破骨細胞への分化を誘導する。一方、IL-18は、リンパ球上のIL-18受容体と結合して、GM-CSF産生を誘導し、破骨細胞分化を抑制する。また、IL-18の作用は、分泌型decoy受容体であるIL-18 binding protein (IL-18BP) によって抑制される。本研究では破骨細胞の分化における、RANKL、IL-18およびIL-18BPを介した破骨細胞前駆細胞とリンパ球の細胞間相互作用を検討した。 研究1年目は、RANKLでRAW264.7 (RAW) 細胞を破骨細胞へ分化誘導すると、IL-18BP発現レベルが増加し、さらに、RANKLで刺激したRAW細胞の培養上清が、CD4+T細胞におけるIL-18誘導性GM-CSF産生を抑制することを明らかにした。 研究2年目は、RANKL刺激を受けた RAW細胞内のシグナル伝達の検索を試みた。RANKL刺激で、RAW細胞のMAPKシグナル伝達因子のリン酸化がわずかに亢進したが,IL-18 BP発現増加への関与は確認出来なかった。 研究3年目は、RANKLがRAW細胞のIL-18発現に及ぼす影響を検討し、RANKL刺激でRAW細胞のIL-18発現は、著しく低下することを明らかにした。つまり、RANKLは、破骨細胞前駆細胞のIL-18発現低下とIL-18BP発現上昇を介して、IL-18と未結合なIL-18BPレベルを増加させて、近傍に存在する他細胞由来のIL-18刺激によるCD4+T細胞のGM-CSF産生を、抑制する可能性が考えられた。また、炎症性骨吸収の関連実験として、歯周病罹患者の血清中ではγ-GTPレベルが高かく、γ-GTPが歯周病による歯槽骨吸収の促進因子となる可能性を明らかにした。
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Research Products
(1 results)