2012 Fiscal Year Research-status Report
皮膚から骨折リスクを評価する簡便で高精度な骨粗鬆症スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
24792014
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
香西 雄介 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (80550855)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨密度測定 / 皮膚 |
Research Abstract |
骨粗鬆症の効果的な予防・診断のためには、USPSTFのガイドラインにあるように適切なスクリーニングを行うことが推奨されるが、ハイリスク女性が2重エネルギーX線吸収法(DXA)などの骨密度測定検査を受ける機会はそれほど多くない。今回、我々は歯科領域の数理形態学的手法を皮膚表面のデジタル画像に応用し、簡便かつ高精度に皮溝構造を定量評価するシステムを開発した。このシステムは、加齢による皮膚表面の劣化を評価するとともに、皮膚の状態から骨折リスクを推定できる可能性がある。 閉経周辺期の女性を対象として、BMIの取得、DXA法による骨密度測定、数理形態学的手法による骨梁構造解析、皮膚皮溝構造解析を行い、それぞれの相関を求めた。対象は40~65歳の健常ボランティア女性41人(54.1歳±7.4歳)であった。結果は、年齢と各皮溝構造パラメータは、高い相関を示した(P=0.67~0.76)。加齢による皮溝構造の劣化を本システムが検出されている事を示している。また、骨密度と皮溝構造はR=0.346(P=0.026) 、骨梁構造と皮溝構造はR=0.383( P=0.013 )の相関を示した。今後、より相関を高める為には、被験者数を増やすとともに、骨粗鬆症罹患者への検査も行う必要があると思われる。これまでの結論として、閉経周辺期女性の骨粗鬆症スクリーニングとして、骨梁構造解析が比較的早期の検出が可能あり、その有用性が確認された。皮膚皮溝構造解析は、加齢による皮膚の劣化を敏感に検出し、その結果から骨折リスクを推定できる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究実績の概要に示した通り、ボランティアを対象に年齢と皮溝構造の関係を明らかにした。本内容とその関連内容は、神奈川歯科大学学会および第8回グルコサミン研究会にて発表された。これは研究の目的の初年度の目標に示していた通りである。加えて、次年度の目標として掲げていた骨密度と革溝構造との関係に関しても、一部今年度に研究を進めた。このことから、研究の達成度はおおむね順調に進展していると考えるが、一方で、対象としたボランティアの人数は目標に達していない。次年度の研究では、さらにボランティア参加者の増加を見込んでおり、目標を達成できるみこみである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、閉経周辺期のボランティア女性を増員し、申請者の開発したシステムで皮溝構造解析を行う。同時にFRAXの取得、DXAによる骨密度測定、超音波踵骨測定装置(QUS)による骨スティッフネス指数の測定および採血による骨代謝マーカーの測定を行い、皮溝構造と骨折リスクとの相関を明らかにする。加えて、ボランティアの骨折リスクを評価するため、FRAXの取得、DXAによる骨密度測定(GE社製DPX-BRAVO:現有)、QUSによる骨スティッフネス指数測定(GE社製A-1000 Insight:現有)を行う。同時に採血を行いBAP,TRACP-5b,OCなどの骨代謝マーカーの測定を行う。また、パノラマX線撮影を行い、下顎骨下縁皮質骨に基づく骨粗鬆症スクリーニング法との比較も行う予定である。 これらの研究をさらに推進するために、次年度は研究補助員の雇用を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内および国外での学会発表を予定しており、その旅費の使用を計画している。また、研究ボランティアへの謝礼は次年度に支出される予定である。研究補助員の費用および論文別冊、印刷料、翻訳・校閲費、ウェブサイト管理費等が支出予定である。
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[Journal Article] Bone apposition to laminin-1 coated implants: histologic and 3D evaluation.2013
Author(s)
Bougas K, Jimbo R, Vandeweghe S, Hayashi M, Bryington M, Kozai Y, Schwartz-Filho HO, Tovar N, Adolfsson E, Ono D, Coelho PG, Wennerberg A.
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Journal Title
International Journal of Oral Maxilofacial Surgery
Volume: 42
Pages: 677-82
DOI
Peer Reviewed
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