2012 Fiscal Year Research-status Report
ポスト孔形成後に残存したレジン系シーラーが支台築造接着に及ぼす影響の解析
Project/Area Number |
24792022
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
薮根 敏晃 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90423144)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 支台築造 / 接着 / レジン系シーラー |
Research Abstract |
本年度は、ヒト抜去歯を用いて蛍光色素を配合したレジン系シーラーと根管充填ポイントを用いた根管充填後の共焦点レーザー顕微鏡観察を行うための試料作製方法の詳細に関して検討した。 まず、レジン系シーラに配合する蛍光色素の種類・濃度・配合方法について検討した。具体的には、蛍光色素としてこれまで象牙質接着システムで比較的によく使用されているRhodamine BとFluorescein sodium saltを用い、0.1%~1% w/wと濃度を変更して、配合方法については、「蒸留水に希釈してシーラーと混和」、「蛍光色素を直接シーラーに混和する」と方法を変えて検討した。その結果、0.1% w/wのRhodamine Bを直接レジン系シーラーに練和する方法が、象牙細管に侵入したレジンタグを明瞭に観察することができた。 次に、試料作製方法の詳細について検討した。共焦点レーザー顕微鏡を行うにあたり、最適な試料の厚み、研磨の有無による観察像への影響に関して調べた。試料の厚みに関して、厚みが薄くなるほど、明瞭な観察像が得られる反面、切断時や研磨時に根管充填ポイントが脱離しやすくなるため、本研究では200μm以上の試料の厚みが必要であることがわかった。また、研磨性に関しては、種々の耐水ペーパーの使用、アルミナ配合研磨剤などの研磨性を変更して検討した。その結果、最終研磨の細かさに関わらず、焦点深度を考慮することで観察像に大差なく、むしろ研磨剤の使用によりシーラーの侵入具合が変化し、正確な観察像を得ることができないことがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の実施計画は、ヒト抜去歯を用いて蛍光色素を配合した試作レジン系シーラーと根管充填用ポイントを用いて根管充填を行い、共焦点レーザー顕微鏡にてレジンタグの形成状況を観察し、配合する蛍光色素の濃度、種類などを変更して評価するのに適切な条件を検討することであったが、実施計画通り進行していると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に検討した試料作成法をもとに、0.1% w/wのRhodamineBを配合したシーラーにて根管充填後、別の蛍光色素を配合した接着システムにより支台築造を行って、ポスト孔形成後のレジン系根管充填シーラーの残存状況を詳細に検討する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
|