2013 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質知覚過敏症モデルを用いた象牙細管の封鎖に関する研究
Project/Area Number |
24792025
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 久美子 岡山大学, 大学病院, 助教 (50550802)
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Keywords | 象牙質知覚過敏症 / セルフエッチング接着システム / 接着 |
Research Abstract |
象牙質知覚過敏症を発症しているくさび状欠損に関しては、象牙質知覚過敏症に対する処置に加え、日を改めてコンポジットレジン修復処置を行うケースが多くみられる。本研究は、「Tooth Wear」の初期症状あるいは続発する症状である象牙質知覚過敏症に関するものである。 まず、象牙質知覚過敏症モデルを試作し、モデルとして適切であるかを評価した。う蝕のないヒト抜去歯の象牙質面を露出し、超音波洗浄を行うことで象牙細管を開口させ、その表面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、健全象牙質と比較した。知覚過敏モデルのSEM像は、象牙細管が開口しており、知覚過敏モデルとして適切であることが示された。 次に、上記で作製した象牙質知覚過敏モデルに対し、象牙質知覚過敏抑制材の使用がコンポジットレジン修復に及ぼす影響を検討した。象牙質知覚過敏症モデルに対して市販の3種の知覚過敏抑制材(F-バニッシュ,MSコートONEおよびナノシール)を塗布し、表面のSEM観察を行った。また、処理面に対するセルフエッチング接着システムの接着性の評価を行った。作用機序の違いから、材料により、象牙細管の封鎖の状態は様々であった。接着強さの値はF-バニッシュ群、MSコートONE群、ナノシール群は、無処理群と同等の値を示した(p>0.05)。接着界面のSEM観察では、樹脂含浸層とレジンタグを認め、強固に接着していることが確認された。以上のことから、象牙質知覚過敏モデルに対して本研究で使用した3種の象牙質知覚過敏抑制材は、その後に処理した接着システムの接着性に影響を及ぼさないことが示された。 さらに、上記の3種の接着試料体に温度負荷をかけ、接着耐久性を評価したところ、いずれの群においても接着強さは低下した。耐久性に問題があることが示唆され、今後の課題として、接着の耐久性の向上を挙げる。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 多用途型歯面処理材の象牙質接着強さ2013
Author(s)
横山 章人, 塩出 信太郎, 山路 公造, 伊澤 俊次, 田中 久美子, 大原 直子, 高橋 圭, 西谷 佳浩, 吉山 昌宏
Organizer
日本歯科保存学会学術大会
Place of Presentation
秋田
Year and Date
20131017-20131018