2013 Fiscal Year Research-status Report
大豆イソフラボンおよび亜麻リグナンを用いた新規歯髄保存療法の開発
Project/Area Number |
24792031
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
半田 慶介 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40433429)
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Keywords | 直接覆髄実験 / Akt / p38 / ELISA法 / ゲニステイン |
Research Abstract |
前年度までにラット歯髄細胞(RDP)へゲニステイン添加することによって石灰化が誘導される(石灰化に関連する遺伝子群の発現、アルカリフォスファターゼ活性等)ことが明らかになったため、本年度は、①ラット直接覆髄実験モデルにゲニステインを直接覆髄剤として用いることで、修復象牙質形成が誘導されるかを調べ、②in vitroにおけるゲニステインが石灰化を起こすメカニズムの解析を行い、以下の結果を得た。 ①ラット直接覆髄実験モデルにおいて、小池らの方法に従って上顎第一大臼歯近心に人工的な露髄腔を形成し水酸化カルシウムをコントロールとして直接覆髄を行った。実験群としてゲニステインは、in vitroで優位に石灰化を誘導した濃度(0.1uM)を中心に実験に用いた。水酸化カルシウム製剤を直接覆髄剤と用いた結果は、粗造で空隙のある修復象牙質が観察されたが、ゲニステインで形成された修復象牙質は欠損がなく、象牙細管を有する良質な象牙質が認められた。また修復象牙質直下の歯髄の炎症も軽微であった。このことからゲニステインは有効な直接覆髄剤となりうる可能性が示唆された。②ゲニステインが誘導する歯髄細胞の石灰化メカニズムを解析するため、Aktのリン酸化阻害効果およびTGF-β系シグナル経路であるp38のリン酸化活性の測定を行った。ゲニステインをRDPに添加することで、ELISA法によって濃度依存的にp38のリン酸化活性が上昇することが確認された。また、細胞増殖を亢進させるPDGFを添加してもAktのリン酸化活性は増加せずゲニステインの濃度依存的に抑制された。このことからゲニステインは細胞増殖を抑制し、p38のリン酸化を介して石灰化に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲニステイン添加による石灰化誘導に関しては、おおむね順調であるが、亜麻リグナンを添加した場合、石灰化の指標としても用いた象牙質形成関連遺伝子群(BSP,DSPP,DMP-1)の発現抑制が観察された。そのため、添加方法の検討が必要とされる。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲニステインをラット直接覆髄実験モデルに応用した場合、形成された修復象牙質直下の歯髄炎の程度が水酸化カルシウム製剤と比較して軽微であった。水酸化カルシウム製剤の修復象牙質形成メカニズムとはことなり、ゲニステインの効果で直接修復象牙質形成を誘導するのか、炎症を軽減させることが修復象牙質形成に重要なのかを明らかにする予定である
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究が年度が替わってしまったため 物品費として購入予定
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Research Products
(8 results)