2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24792034
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
小谷 依子 明海大学, 歯学部, 助教 (20458491)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 根管治療 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
各種高出力レーザーののなかで、Er:YAGおよびEr,Cr:YSGGレーザーはファイバー導入が可能であり、特に象牙質を中心とする硬組織に対して優れたアブレーション効果を有している。象牙質だけが治療対象といえる根管内という環境は、レーザー応用に適していると考えられる。さらにレーザーの歯質に対する光特性において、吸収率は感染歯質と健全歯質では異なることが知られている。これらのことから、レーザーの象牙質に対する吸収率の違いを見極め、根管形成に適用できれば、選択的に感染歯質のみを除去できる可能性を有していると考えられる。 そこで今回の研究の目的は、根管内の健全象牙質の損傷を抑え、感染歯質のみ選択的に削除できる根管形成用レーザーマニュピュレーターの開発・臨床応用である。 今年度の目標は、現在完成しているプロトタイプのレーザーチップでの効果判定を行う予定であった。ところが、現在使用しているEr:YAGレーザー発振器において、不具合が多く見られたため、研究計画を多少変更し、新しいレーザー発振器による実験を行うこととした。そのため、発振器の機種変更によるチップの接続部分の設計から行った。レーザー発振器の販売元であるメーカーと共同で、完成しているプロトタイプに接続できるようなハンド型の接続部分を作製した。このことにより、新しいレーザー発振器によるレーザー照射が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今までの研究で使用していたレーザー発振器が故障し、新しいレーザー発振器を用いての実験を始めるこことなった。そのため、準備してあったコンタクトチップの接続部分の形状が異なり、使用出来ず、その設計および作製から始める必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
I.前年度で完成したハンド型の接続部分にプロトタイプのレーザーチップを接続し、実験をすすめていく。 1.現在完成しているプロトタイプのレーザーチップでの効果判定を行う。方法は以下の通り。①通法通りに根管形成を行ったヒト下顎小臼歯を根管にそって垂直方向に割断する。②健康象牙質にレーザー照射を行う(動き解析マイクロスコープ使用)。③光学顕微鏡、SEM観察および3次元解析を行い、影響が出ないことを確認する。 2.軟化象牙質をアブレーションできるかを探る。方法は以下の通り。①ヒト下顎小臼歯の軟化象牙質モデルを用い、レーザー照射を行う(動き解析マイクロスコープ使用)。②光学顕微鏡、SEM観察および3次元解析を行い、アブレーションできているか検討する。 3.1及び2の実験で得られた値を検討する。 II.状況により、試作したプロトタイプの改良を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.プロトタイプの改良における費用(レンズ部分の再製など) 2.実験機材および材料の整備(牛歯、包埋用レジンなど) 2.学会等での発表における諸費用(発表用のモバイル型ノートパソコンおよび出張費など)
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