2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792034
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
小谷 依子 明海大学, 歯学部, 助教 (20458491)
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Keywords | 根管治療 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
目的:根管壁へ照射可能なレーザーマニュピュレーターの設計と作成において、試作したマニュピュレーターをEr:YAGレーザーに接続し、実際に照射を行い、健全象牙質には影響を及ぼさず、軟化象牙質のみをアブレーション出来るかを確認する。 試料の作製:牛歯の前歯(単根)を歯冠と根尖3mmを切り落とし、根管形成を行った。その後、歯軸方向に2分割した。プランク・リュクロ処方液にて根管内を脱灰し、根管壁に軟化象牙質を作製した。 レーザー照射:Er;YAGレーザーに試作した今年度新たに改良したマニュピュレーターの新型試作品を装着し、試料の根管壁に各種条件で照射した。条件はモニター表示において、周波数3Hz,10Hz,30Hz、エネルギー210mJ,300mJ,350mJ、照射時間10,30,60秒の組み合わせで行った。 結果:作成した試料の軟化象牙質の硬さは、ビッカース硬さですべて20HV以下であり、6.2~15.2HVであった。また染色試験により、軟化象牙質の深さは、平均0.1mm以下0.075~1.03mmであった。SEM像にて根管内の歯頸部から3,7,12㎜の位置で観察を行った。その結果、3Hzと30Hzの照射群においては、レーザーによる影響は認められなかった。10Hzの照射群において、300mJ以上のエネルギーで10秒以上照射を行うと、根管壁にメルトしたような状態が見られる傾向にあった。また、根管内では3,7,12mmの位置での違いは認められなかった。このことから、10Hz,300~350Hz,10秒以上の根管内照射で、軟化象牙質のみをアブレーションできる可能性が示唆された。
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