2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24792037
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安田 源沢 日本大学, 歯学部, その他 (50579977)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 機能性高分子材料 / 脱灰抑制 / 再石灰化 / S-PRG |
Research Abstract |
多種のイオンを徐放するPRGフイラー溶出液を歯質に作用させた場合の状態変化を,超音波透過法を用いて検討した。また,SEMならびにレーザー顕微鏡観察を併せて行い,考察資料とした。 ウシ抜去歯の唇側エナメル質および象牙質をブロックとして切り出した後,耐水性SiCペーパーで研磨した。このブロックを37℃の人工唾液へ浸漬するのに先立ち,0.1M乳酸緩衝液(pH4.75)を用いて10分間脱灰する条件(以後,De群)およびPRGフイラー溶出液(PRG-14,松風)を10分間作用させた後,乳酸緩衝液で脱灰する条件(以後,PRG群)を設定し,このサイクルを1日2回,28日間行った。また,コントロールとして実験期間を通じて人工唾液への浸漬のみを行った群(以後,Control群)を設定した。これらサイクルを施した試片に対して,超音波測定装置を用いて縦波音速を求めた。さらに,所定期間の浸漬が終了した試片について,通法に従ってSEM観察を行うとともに,レーザー顕微鏡を用いて表面性状の経時的変化を観察した。 その結果,De群では,他の条件と比較して経時的にその音速が減少する傾向が認められた。一方,PRG群では,エナメル質および象牙質試片ともに音速が増加する傾向が認められた。この歯質を透過する音速の変化は,PRGフイラー溶出液が脱灰抑制あるいは再石灰化に影響を及ぼしたことを示すものと考えられた。また,SEMおよびレーザー顕微鏡観察像からは,エナメル質ではPRG群で脱灰を示す像は観察されず,PRGフイラー由来と考えられる付着物あるいは析出物が認められた。一方,象牙質においてはDe群で象牙細管の漏斗状拡大が観察されたが,PRG群では象牙細管の開口あるいは閉鎖している像などが混在して認められた。 以上の結果から,PRGフイラー溶出液は,歯質の脱灰抑制効果および再石灰化促進に寄与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を発展,遂行するために必要な機能性高分子材料(PRGフィラー)に関しては,開発者からの知識あるいは技術的協力も得られており,また,超音波測定に対する手技も確立されていることから,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度の実験によって得られたPRGフィラー溶出液による歯質の状態変化の基礎的データ(脱灰抑制および再石灰化能)をもとに,PRGフィラーを応用したGIOMER修復システムが歯質に及ぼす影響について,ヒト抜去歯に作製した齲蝕モデルを用いて検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PRGフィラーを応用したGIOMER修復システムが,エナメル質および象牙質の脱灰および再石灰化に及ぼす影響を検討するため,歯質脱灰用試薬およびGIOMER修復システムを購入する。また,脱灰および再石灰化程度を観察するために必要な超音波測定関連消耗品およびSEMおよびレーザ顕微鏡観察用消耗品の購入に対して研究費を使用する。さらに,得られた研究成果を論文にて発表するのにかかる費用に使用する。
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Research Products
(4 results)