2012 Fiscal Year Research-status Report
歯髄のプラスミンによるCOX-2産生シグナルとPKCの活性化
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24792039
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
神尾 直人 日本大学, 歯学部, その他 (10508774)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歯学 / 細胞・組織 / 炎症 / プラスミン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
細胞外Ca2+非存在下、およびThapsigargin作用下の [Ca2+]i、COX-2 mRNA発現の変化の検索 [Ca2+]iの上昇は、細胞質内小胞体カルシウムプールからの放出と、細胞外からチャネルを介した流入がある。プラスミン刺激時の細胞外Ca2+を除去した状態、および Thapsigargin (小胞体膜上の Ca2+-ATPase阻害剤) 作用時における[Ca2+]i動態、COX-2 mRNA発現量の変化を検索した。PARsシグナルだけでなく、後述するPKCにおいても [Ca2+]iは重要な役割を果たすため、いずれの場合においてもCa2+の由来を明確にする必要があると考えられた。 結果として、細胞外カルシウムを除去した状態では、[Ca2+]iの上昇は抑制され、その下流のCOX-2 mRNA発現量の上昇も抑制された。 これは、プラスミンによる[Ca2+]iの上昇とそのシグナル伝達は、細胞外カルシウムの流入によるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Ca2+/Cnにより脱リン酸化されたNFATは核内DNAに結合した後、分解されずに再度リン酸化され、細胞質内に移行する (shutlling) という特徴がある。これまでに核内、細胞質内でタンパク質画分を分け、ウェスタンブロット法によりプラスミン作用後のNFAT存在位置の変化を確認した。また、NFATc1 transfactor chemiluminescent kit にてDNA結合能は確認済みであるが、さらに詳細な検討の為ゲルシフトアッセイを行う予定としていた。感度の問題等で思うような結果が得られないが、NFATc1 transfactor chemiluminescent kit にて回数を重ね、有意差を数値化する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
PKC活性化剤、阻害剤によるNFAT挙動およびCOX-2、PGE2産生量の変化の検索 PKCはジアシルグリセロールやCa2+などにより活性化され細胞増殖、遺伝子発現、受容体制御、アポトーシスなど広範な生理機能を担うことが知られている。また、これまでにPKC活性化剤であるphorbol myristate acetate (PMA) がTNF-aによるuPAの分泌を相乗的に促進することを確認し、炎症反応とPKCシグナルには密接な関係があると考えている。現在プラスミンによって [Ca2+]iが上昇することは分かっており、PKCシグナルの一部も活性化されている可能性が高いと想像できる。さらにPKCがNFATを活性化する報告も多く、10種以上の存在が確認されているPKCのisoformが複雑に関与している可能性があり興味深い。よって今回プラスミンのCa2+/Cn/NFATシグナルに与えるPKC活性化の影響を、相乗効果に焦点を絞り検討する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養後、結果はウェスタンブロット法、ELISA法で求める研究が多く、その為の消耗品に研究費の多くを費やす。 すなわち各種試薬、抗体、測定キット等に使用する。 保存治療系歯学における研究の為、国内では歯科保存学会(2回)、研究発表を予定しており、学会会場までの旅費を必要とする。
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