2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄のプラスミンによるCOX-2産生シグナルとPKCの活性化
Project/Area Number |
24792039
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
神尾 直人 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (10508774)
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Keywords | 歯髄 / 細胞・組織 / 炎症 / プラスミン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
申請者はこれまでに、ヒト歯髄培養細胞において Plasminが Protease activated receptor-1を介してCOX-2の産生を促進することを報告し、炎症反応を惹起することを示してきた。またそれには細胞内カルシウムイオン濃度 ([Ca2+]i)の上昇と、シグナル伝達過程において calcineurinが関与することまで明らかにした。[Ca2+]iは細胞外からのチャネルを介した Ca2+の流入もしくは細胞質内カルシウムストアからの放出のバランスにより調節されており、シグナル伝達に関与する Ca2+の由来を同定することは Plasminによる炎症誘発システムの解明に有用であると考えられる。そこで本研究では[Ca2+]i動態を細胞外からの流入・小胞体からの放出を分けて検討し、それによるCOX-2タンパク質産生量の変化を検索した。またカルシウムシグナルに深く関与する Protein Kinase C (PKC) の関与についても検討を行った。 その結果、細胞外 Ca2+非存在下においても Plasminは [Ca2+]iの上昇を引き起こすが有意に減少し、さらにCOX-2タンパク質発現を抑制した。これは、Plasminによる COX-2タンパク質発現には主に細胞外からの流入による Ca2+が関与することを意味すると同時に、細胞質内ストアからのCa2+放出メカニズムも存在することが示唆された。細胞外 Ca2+非存在下で Ca2+小胞体 Ca2+-ATPase阻害剤である Thapsigarginは、Plasminによる [Ca2+]iの上昇を抑制した。このことからも、小胞体からの放出されるメカニズムがあると考えられた。PKC阻害剤である Ro31-8220は、Plasmin による COX-2タンパク質発現を有意に抑制し、PKCシグナルの関与も示唆された。
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