2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体安全性を考慮した口腔内シリカ薄膜コーティング法の開発と展開
Project/Area Number |
24792046
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
田中 隆博 神奈川歯科大学, 歯学部, 研究員 (90550830)
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Keywords | セラミックス / 齲蝕予防 |
Research Abstract |
齲蝕は歯科における2大疾患の一つであり,これまでに齲蝕に対する治療法,齲蝕により除去された歯質を補うための素材の研究は数多くなされているが,齲蝕予防に主眼を置いた予防処置法,それに関わる素材の研究は少ない.シリカに代表される無機材料の特徴は物理的に堅固であり,化学的にも安定である.このような優れた特徴を有するシリカ薄膜で歯面をコーティングできれば,歯質の性状を変えることなく耐摩耗性や齲蝕予防効果を示す.本研究の目的は,シリカ前駆体としてペルヒドロポリシラザン(PHPS:perhydropolysilazane)を用い,歯質表面に口腔内でシリカ薄膜を形成し,さらに生体への為害作用が少ないシリカ転化方法を開発することであり,これにより広く口腔の健康維持,増進に寄与し,国民福祉の向上の一助とするためである.その結果,以下の成果を得た.(1)歯ブラシ摩耗試験を行い,シリカ薄膜の耐摩耗性の検討を行い,表面性状の観察および磨耗量の測定を行った。その結果,エナメル質上に塗布したPHPSにより形成されたシリカ剥膜は優れた耐摩耗性を有することが示された。(2)また,成膜されたシリカ薄膜によりエナメル質の耐酸性を評価するため0.1mM HCl溶液10ml中にサンプルを30分間浸漬し,溶液中に溶出したカルシウムを吸光光度法により測定した.その結果,シリカコーティングを施すことにより非処理エナメル質群と比較し,有意に低いカルシウムの溶出量を示し,優れた耐酸性を有することが示された.
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