2012 Fiscal Year Research-status Report
傷害性ストレスに対する歯髄細胞の恒常性維持と回復反応に関する分子機構の解明
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24792048
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 将洋 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (50460415)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 骨髄移植 / 歯髄組織 / 再生 / 修復 |
Research Abstract |
GFPマウス由来骨髄細胞の調製と骨髄細胞移植を行い、GFP骨髄移植マウスを作製した。このマウスの臼歯にメカニカルストレスを負荷し,歯髄組織における骨髄幹細胞の関与について,病理組織学的・細胞生物学的検索を行った。メカニカルストレスを負荷した歯髄組織を経時的に観察した結果、HSPやALPを中心とするストレスおよび細胞傷害関連因子の発現増強がみられ、それに加えて歯髄では神経内分泌関連因子の著明な発現増強が確認された。また歯髄内にGFP陽性細胞が出現し、これらは種々の割合で既存の歯髄組織の構成細胞に変化していた。さらにGFP陽性細胞は細胞傷害因子、ストレス因子の発現増強が生じている領域を中心に出現していることが明らかになった。今回得られた結果は歯髄組織の再生修復に道を開くものであると考えている。さらに、この歯髄でみられる現象が広く体組織全般に適用される現象であるならば、様々な臓器の再生と修復に応用可能であると思われる。これらの新知見の一部は学術誌上および学会で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年に予定していたGFP骨髄移植動物の作製と、これを用いた歯髄へのストレス付与実験を行い、歯髄組織を病理組織学的に検索した。その結果、従来知られていなかった組織の再生と修復および組織幹細胞に関する重要な新知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に得られた新知見をさらに詳細に検討していく。研究手法は従来行ってきた方法を踏襲する。新知見は骨髄幹細胞の誘導と歯髄の神経細胞との関連性であるので、この点を中心に主に組織学的手法を用いて関連因子を網羅的に検索していく。これにより、組織幹細胞と骨髄幹細胞の関連、これらの局所誘導、分化、増殖、および幹細胞特性の維持に関わる知見が得られる事を期待している。また、組織再生修復への具体的な応用方法についても検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額の当該年度直接経費に占める割合は0.8%であり、おおむね問題なく使用できていると考えている。支出の大部分を価格の安定しない消耗品費が占めていることが次年度使用額が生じうる原因である。現在のところ研究費の使用計画に大きな変更はない。
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