2015 Fiscal Year Annual Research Report
咬合支持喪失に伴う顎口腔系の負荷を可視化するMR画像診断法の確立
Project/Area Number |
24792053
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 哲史 東北大学, 大学病院, 助教 (50400263)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 咀嚼筋 / MRI / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、顎関節内部の下顎頭を高解像度で撮影するため、あるいは咀嚼筋撮影におけるノイズや撮影時間を低減させるために、新たに3TのMR装置を使用して適切な撮影シーケンスの検討を行った。しかし、咀嚼筋撮影に要する時間の短縮には成功したものの、低ノイズかつ高解像度の下顎頭画像の撮影は達成できなかった。今後も、適切な実験環境を整えて更なる検証を行う予定である。一方、咀嚼筋撮影の時間短縮は運動に伴う咀嚼筋T2変化の撮影中における減衰を可及的に少なくするために有用であり、mfMRIを利用した咀嚼筋活動の解析を行う上で値の信頼性向上に寄与すると考えられる。 これまでの解析で得られた、各咀嚼筋全体のT2変化量と咬合力との被験者間相関については、同じデータを使用して咬合力と他のパラメータとの相関についても解析をを行い、咬筋浅層では単位体積あたりのT2変化量や筋体積と咬合力との相関が低いにもっかかわらず、筋全体のT2変化量と咬合力の相関は非常に高いことが示された。この結果は、国際的な学術論文誌へ投稿を行い、受理・掲載された。 本研究課題では、顎関節については目標の精度での撮影が出来なかったが、咀嚼筋について、これまでの単位体積あたりのT2変化量とは異なる、各咀嚼筋全体もしくは全咀嚼筋全体でのT2変化量の合計が、筋の出力である咬合力と強い相関を示すという新たな知見を示すことができた。これは、本研究課題の目的である顎口腔系における負荷の解析を、咀嚼筋活動の観点から行う上で有用な知見である。
|