2013 Fiscal Year Annual Research Report
CAD/CAMおよびワックスレジンを応用した生体親和性総義歯製作方法の開発
Project/Area Number |
24792056
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
折居 雄介 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90549320)
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Keywords | CAD/CAM / 総義歯 / ワックスレジン |
Research Abstract |
試料は,混和後,餅状期に50x10x2 mmの金属型にて填入,重合を行った加熱重合型アクリルレジン(アクロン, GC)の,研磨面を想定して填入時にナイロンシートを介したもの(アクリル研磨面)と粘膜面を想定して石膏板を介したもの(アクリル粘膜面)の2種と,CAM加工機により重合完了後のブロックから削りだされたアクリルレジン(アクリルCAM)を製作した.試料の前処理として,健常な成人男性1名より刺激時唾液を採集し,試料にシリコン枠を圧接してウェルを作り,各ウェルにフィルター滅菌後の唾液を注入した.4℃にて12時間インキュベートした後,各ウェルを塩化カリウム(KCl)緩衝液にて2度洗浄した.コントロールとして,唾液処理なしの試料はKCl緩衝液を用いた.前処理後,細菌培養試験として,streptococcus mutans NCTC 10449株を用い,嫌気グローブボックスにて培養後の菌懸濁液を37℃で2時間付着させ,各ウェルに1%alamarBlue溶液を加え,30分後の蛍光強度からS. mutansの付着量を算定した.その結果,CAM加工機によりミリングされたアクリルCAMは研磨作業を行っていない削り出し状態にもかかわらず,従来の義歯粘膜面を想定したアクリル粘膜面と比較してS. mutansの付着量が少なかった.また,アクリル研磨面と同程度の付着量であった.よって,CAM加工機によりミリングされた義歯床が従来の義歯製作方法と比較し,細菌付着性の少ない粘膜面性状を付与できる可能性が示唆された.また,顎堤粘膜の印象のスキャニングデータからCAM加工機で工業的に成形されたレジンブロックをミリングすることにより安定したデンチャーベースで作製するため,重合完了後の残留モノマーのない吸水率の極めて低いレジンを緊密に使用できる.このことは,細菌の付着,増殖を抑える可能性が示唆される.
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Research Products
(2 results)