2013 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニアオールセラミック修復用陶材の強度向上の要件を探る
Project/Area Number |
24792058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 賞子 東北大学, 大学病院, 医員 (60431590)
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Keywords | ジルコニア / ベニアポーセレン / 破壊靭性 / チッピング / 焼成条件 |
Research Abstract |
ジルコニアオールセラミック修復は,優れた審美性や生体親和性を持ち,強度が高く,臼歯部のクラウンやブリッジにも応用可能であることから,臨床において広く用いられるようになってきた.しかし,装着後のトラブルとしてベニアポーセレンのチッピングが指摘されるようになってきた.本研究の目的は,ジルコニアフレームや焼成条件の変化がベニアポーセレンの機械的性質に及ぼす影響を調べるため,フレーム材料,焼成温度,昇温速度による破壊靱性を検討した. 破壊靱性の測定は,ISO15732に準じた破壊靭性試験により評価した.ジルコニアオールセラミック修復用ベニアポーセレンは,0.4 mmと0.8 mmの2種類の異なった厚さのジルコニアフレームに,各3条件の焼成温度(High, Manual, Low)及び昇温速度(Fast, Manual, Slow)にて焼成した.コントロールとして,メタルセラミック修復用ベニアポーセレン及びメタルフレームを使用した.データは,2-way ANOVA Tukey-Kramer HSD test (α=0.05)にて統計分析を行った. ジルコニアフレーム及びメタルフレームの破壊靱性値は,フレーム厚さの違いや焼成温度条件では有意差はみられなかった.昇温速度条件では,ジルコニアフレームでは速度を速くした場合においてマニュアル条件よりも破壊靱性値は有意に低くなった(p<0.05).また,メタルフレームでは速度を遅くした場合においてマニュアル条件及び速い条件よりも破壊靱性値は有意に高い値となった(p<0.05). ジルコニアオールセラミック修復用ベニアポーセレンの破壊靭性値は,フレーム厚さの違いや焼成温度による影響はみられなかったが,昇温速度については,速度が速い条件下ではマニュアル条件と比較して破壊靱性は有意に低い値となった.
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Research Products
(6 results)