2013 Fiscal Year Research-status Report
下顎義歯の大連結子が発語機能に及ぼす影響についての研究
Project/Area Number |
24792065
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
和田 淳一郎 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20611536)
|
Keywords | 客観的機能評価 / 部分床義歯 / 大連結子 / 発語機能 |
Research Abstract |
平成25年度は,平成24年度に引き続き,上顎可撤性義歯のCo-Cr製の大連結子の幅・断面形態が発語機能に及ぼす影響についての研究成果を論文にまとめる作業に大半の時間を費やした.理由として,研究成果を査読有の国際誌に発表するために,日本語特有の音声学的特徴を英語圏の研究者の理解を得るべく,集積したデータの解析方法を再検討する必要が生じたことが挙げられる.現状,解析方法の検討およびデータの再評価が終了し,平成26年度の早期に投稿完了する予定である.また,下顎可撤性義歯の大連結子が発語機能に及ぼす影響を検討した平成24年度の成果を,解析方法を改変した上でまとめ直す作業を順次進めて行く予定である.同時に,平成26年度に予定している,義歯装着者の主観的な喋りにくさと客観的な発語機能評価結果の相関について検討する臨床研究を開始するにあたり,東京医科歯科大学歯学部倫理審査委員会の承認を得るための申請作業を平成25年度後半より開始しており,平成26年度前半に承認を得て,こちらも順次研究を開始する予定である.倫理審査申請に際して,承認後は速やかに研究を開始できるよう研究デザインは詳細まで検討を行った.本研究は,国内外を通じて類似の報告は皆無であり,最終的には前向き介入研究を実施することを念頭に置いているが,その第一段階としては,観察的横断研究にて相関の有無や強さ,客観的発語機能障害の他に主観的な喋りにくさに影響を与えるような予測因子の同定を行うことを主たる目的としている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度,25年度に予定していた研究についてはほぼ予定通り終了しており,論文投稿については,データの解析法を改変することで,予定よりやや遅れているものの,平成26年度に予定している研究と平行して行うことで,次年度への影響はほとんどないと考えられるため,現状,概ね順調に研究計画が進行していると言える.最終年度に設定している,臨床試験については,倫理審査申請が承認され次第の開始であり,期間として平成26年度内に終了するためには時間的余裕はあまりないが,研究デザインの細かな工夫(今後の研究の推進方策に記載)を行うことで対応可能と考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の主たる目標のうち,論文投稿については問題なく行うことが可能であり,主観的な喋りにくさと客観的な発語機能評価の相関や,別の寄与因子の解明についての臨床研究については,今回の研究のみで十分な臨床的な示唆を得ることは困難であると考えている.このような研究報告は国内外を通じて皆無であり,予測因子の選別の基準がない状態である.従って,今後,前向き介入試験を実施する際の研究デザインをブラッシュアップするため,本研究では予測因子を多岐に渡り設定しようと考えている.あわせて,今回は観察的横断研究を行うことで,時間的制限に対して対応できると考えている.また,どのような結果が得られるかの予測が難しく,本研究の結果次第で,今後,新たな研究プロジェクトを立ち上げる必要も生じると考えている.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,当初予定していた論文の投稿に関する諸費用や,平成26年度に予定している実験の準備に要する費用を使用する予定で計画を立てていたが,論文作成にあたって当初の計画より時間がかかってしまい,費用を使用するに至らなかった.この分の費用については,平成26年度に繰り越して使用する必要がある. 研究に参加して頂く被験者への謝礼,研究成果を論文にまとめる際の英文校正や投稿料,更には,学会発表・学会参加に必要な諸費用を研究費より捻出する予定である.また発語機能評価システムの改変も引き続き行っていく為,システム構築に必要な費用も生じる.いずれも,前年度からのの繰越金の総額内で問題なく研究を遂行できる状況である.
|
Research Products
(1 results)