2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792072
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
黒瀬 雅之 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40397162)
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Keywords | TRPM8 / ドライアイ / ドライシンドローム / 乾燥 / 感覚 |
Research Abstract |
三叉神経領域における“乾燥”を愁訴とする疾患である乾燥症は、十分に粘膜や上皮細胞を水分によって保護できないことからくる乾燥・不快感が知られている。これに対する治療法も水分の補充という非常に限定された対症療法が主体である。そこで、新たな強力でありなおかつオルタナティブな治療のオプションとして、外分泌腺の“基礎分泌”に着目し、分泌を支配する神経回路を活性化させられる手法の確立を目的とし実験計画の遂行を行った。 初年度において、実験的に涙腺を摘出することで作製したドライアイモデル動物における基礎分泌を支配する神経回路の変調を検討した結果、非摘出群と比較しその活動性が異なる、特に活動電位を伝達しない脱感作の状態を、通常では無害である刺激を加えることで容易に誘発されることを明らかとした。そこで、本年度はその脱感作現象を誘発する因子に着目し、脱感作を誘発するであろう神経線維に発現するChannelのリン酸化を解除する手法を明らかとすることが、乾燥症の改善に繋がると考えた。そこで、人為的にChannelの脱感作を起こす実験系の確立を目的として、炎症時にその数が増加することが知られるTRPV1 channelにフォーカスを当て、その作動薬であるCapsaicin刺激を与えることで神経活動に及ぼす影響を検討した結果、Capsaicin刺激は基礎分泌を支配する神経回路に対して有意にその活動を抑制させる、すなわち脱感作 を引き起こすことを明らかとした。また、TRPA1 channelの作動薬が同様の効果を誘発することも明らかとし、Channelの脱感作を誘発する機構の一端を明らかとしてきた。脱感作モデルとしてCapsaicinの投与の有効性が明らかとなったので、そのモデルを活用し、リン酸化を引き起こす要因の解明に努め、最終目的である神経回路を活性化させられる手法の確立を目指したい。
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Research Products
(9 results)