2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢一卵性双生児の比較研究:口腔の形態と機能に対する環境要因の影響について
Project/Area Number |
24792074
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 謙一 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80448109)
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Keywords | 双生児研究 / 高齢双生児 |
Research Abstract |
本年度も前年度に引き続き,双生児のデータ収集を行い,全被験者数は96組,192名(内27組54名は週末検診.内訳:7組14名は福島,11組22名は大阪,5組10名は福岡,4組8名は東京)となった.被験者のうち週末検診を除く全ての被験者に対しては,上記の検査項目(口腔内検査,レントゲン検査,口腔機能検査)を全て実施した.福島,福岡,東京検診の16組については,歯科受診状況の問診,口腔関連Quality of life,歯と補綴状況の検査,顎関節の検査,咬合力検査,咀嚼能率検査,唾液分泌速度の検査を行なった.また,大阪検診の11組については,これらの検査項目に追加し,レントゲン撮影,歯周病の検査を行なった.総被験者数は前年度と合わせて,212組,424名となった. 本研究ではそのうち,高齢者を対象に分析を行うために,117組の50歳以上の被験者のデータを抽出し,分析に用いた.まず,本年度は歯数が動脈硬化に与える影響について,多変量遺伝解析を用いて検討した.その結果,年齢,性別,喫煙を調整した上でも,歯数と動脈硬化との間に有意な関連が認められた.また,動脈硬化の罹患がペア間で異なる一卵性双生児6組において,これらの関連が有意でなくなったことより,歯の数と動脈硬化との間に遺伝の交絡が存在している可能性が示唆された.つまり,遺伝因子を考慮したうえでも,口腔健康の状態を示す,歯数が動脈硬化に与える重要な環境要因であることが示唆された. 本年度内には研究結果を発表する事が出来なかったが,この結果に対し,今後本研究で得られた結果について,学会発表や論文執筆を進めていく予定である.
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