2013 Fiscal Year Annual Research Report
BDNF遺伝子メチル化から評価した抑うつ状態と睡眠時ブラキシズムとの関連性
Project/Area Number |
24792076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 昌範 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10573454)
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / ストレス / DNA損傷 / コメットアッセイ / Grindcare / 質問紙 |
Research Abstract |
睡眠時ブラキシズムに影響を及ぼすとされる因子として,遺伝的因子,形態的因子,社会心理学的因子,病態生理学的因子が検討されてきたが、根本的な原因は未だ解明されておらず,治療法の確立には至っていない.また,ストレスの分野においては近年,ストレスがDNA損傷を引き起こすと報告がなされ,ストレスとDNA損傷の関係が明らかとなってきた.そこで本研究においては.DNA損傷によりストレスの評価を行い,睡眠時ブラキシズムの関連について検討を行った. 被験者は,健常成人18人(男性14名、平均年齢29.1歳、女性4名、27.3歳)であり,睡眠時ブラキシズムの測定評価には自宅という日常環境下で睡眠時ブラキシズムの測定が可能なGrindcare 3.0,(Mecotech社)を用いて行った.また,ストレスの評価は従来の質問紙であるBDI,CES-D,Zung-SDSを用いて主観的に行った.さらに客観的には採血を行い、CometAssay Electrophoresis System 2(TREVIGEN)を用いてコメットアッセイを用いてDNA損傷を検出した. 質問紙により,高ストレス群,低ストレス群に分けた2群において,高ストレス群の方が低ストレス群より睡眠時ブラキシズムの程度が高い傾向が認められたが,有意な差は認めなかった.また睡眠時ブラキシズムの程度とDNA損傷の比較においては,睡眠時ブラキシズムの程度とDNA損傷の程度との相関は認められなかった.これはストレスによりDNAが損傷が起こったとしても,DNAは損傷を受けたところから修復が始まるため,採血時にストレスによるDNA損傷のレベルが正確に採取できない可能がある. 今後は睡眠時ブラキシズムの測定中,十数度の採血を行い,より時間軸でDNA損傷を評価することの必要性が示唆された.
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