2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 雅章 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00508682)
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Keywords | 舌接触補助床 / 嚥下障害 / 脳血管障害 |
Research Abstract |
回復期リハビリテーション病院の脳血管障害患者の中で,口腔期における嚥下障害と診断された患者に対して,舌接触補助床(以下PAP)を製作して機能回復並びに補綴によるリハビリテーションを行った.我々は大阪大学歯学部附属病院に通院する舌腫瘍患者の嚥下障害に対してPAPの効果を実証しており,今回の脳血管障害患者の口腔期における嚥下障害に対しての効果を本研究で進めてきた.本研究で,回復期リハビリテーション病院と協力して患者の選定を行った結果,PAPが適応となった患者は少なかった.PAPの適応患者において,治療として製作しその効果は数例ながら確認した.舌腫瘍切除患者の舌圧では切除部位・切除した大きさと関連が認められるのと違い,測定初期の嚥下時舌圧が相対的に小さく, 順序性の不正が見られる脳血管障害患者では,嚥下舌圧の増加と,順序性を考慮した口蓋形態のPAPを製作したが,回復期という特殊性から病状は様々で,経時的に回復し,早期にPAPが不要になる方もいれば,継続的な装着が必要な方,継続的な使用が必要と考えられるが使用感の問題から継続使用を拒否される方もおり,効果があったと考える人は1名に過ぎなかった.PAPの効果に影響を与える因子としては,義歯の有無,補綴物の適合が認められたが,実施人数が少なかったため,有意な結果とはいえない.回復期での嚥下障害の改善は,PAPによる効果以外に,経時的な全身機能の改善を無視できない.今回,この影響が強く出たと考えられる.ただ,先述にあるように,PAP適応患者は存在し,その方への有効性は明らかであるため,引き続き研究を進め,嚥下機能改善の一助として確立してきたい.
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