2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24792091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡邉 恵 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40380050)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属アレルギー / 樹状細胞 / チタン |
Research Abstract |
ニッケルアレルギーモデルマウス作製方法と同様のプロトコールでチタンを投与し,アレルギーモデルマウス作製を試みた.チタンおよび各種アレルゲン金属試薬(ニッケル,コバルト,クロム)を作製し,正常C57BL6/J雌マウス腹腔に投与して感作した.2週間後,同金属試薬を耳介皮下に投与し,48時間後に耳介腫脹反応を測定してアレルギー発症の有無を確認した.その結果,耳介腫脹反応の強さ(大きさ)では,Ti<Co<Cr<Niで,チタンを投与した群では,生理食塩水を投与したコントロール群とほとんど差がなかった. チタンを投与したマウスの耳介皮膚と,チタン以外の金属に対するアレルギーを発症したマウスの耳介皮膚を,免疫組織科学により光学顕微鏡下で病理組織学的に観察した.その結果,ニッケル,コバルト,クロム投与群マウスの耳介皮膚には,T細胞を中心としたリンパ球浸潤を認めたが,チタン投与群ではそれを認めず,浸潤している好中球はアジュバンドに対する反応であると考えられた. 次に,マウス骨髄から分化誘導した樹状細胞(dendritic cells: DC)に対して,チタンおよびアレルゲン金属による刺激を与え,DC表面のMHC classII発現,炎症性サイトカイン産生の違いをフローサイトメトリー,ELISA法で検討した.その結果,アレルゲン金属で刺激したDCではIL-12, IFN-γ産生およびMHC classII発現の増強を認めたが,チタンで刺激したDCでは,それらを認めなかった.以上の結果から,チタンに対してアレルギー反応が小さいのは,DCによる抗原提示能が小さいからである,という可能性が示唆された. 次年度は,それぞれの群から採取したT細胞とDCを共培養して,各種遺伝子発現を比較検討し,チタンに対するT細胞の反応をin vivo,in vitro両面から観察する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した研究の目的では,in vivoでの予備検討的な金属アレルギーモデル解析を行う予定であったが,今年度はin vivoの実験に加えて,来年度の予定であるDCの刺激能も観察した.しかしながら,初年度予定のチタン溶出の最適条件については,明確な結果を得ることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoとin vitroのデータを対照しながら実験を進めていく予定である.具体的には,in vitroで,チタンに対するDCの抗原刺激能が上昇しないことが示されたので,in vitroでそれぞれの金属刺激を与えたDCをマウス体内に戻して,実際のアレルギー反応を観察する.また,T細胞を用いて同様の実験を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費は,特にELISAキットを予定よりも少なく使用したため,追加購入をする必要が無く生じたものである. 翌年度以降の研究費と併せて,主に試薬購入および消耗品購入(培養ディッシュ,培養メディウムなど)に充てる予定である.
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Research Products
(1 results)