2013 Fiscal Year Research-status Report
チタンイオンがインプラント周囲の骨、歯肉に与える影響
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24792092
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
的野 良就 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30432917)
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Keywords | インプラント / チタン |
Research Abstract |
本研究は実際に生体内(骨内、歯肉貫通部)でチタンイオンが溶出した際、チタンイオンがインプラント周囲の骨、歯肉にどのような影響を与えるかを、動物実験(九州大学動物倫理委員会承認 承認番号A23-172-3)を用いて明らかにしていく。動物実験計画書であるインプラント周囲炎モデルラットの作製とその診断、予防、治療法の開発 (九州大学動物倫理委員会承認 承認番号A23-172-3)が承認され、本研究はその動物倫理を遵守し開始した。 平成24年度はラットの顎骨に埋入したミニインプラントにNaFを塗布したのちインプラント周囲の歯肉、骨組織を回収した。平成25年度は、この平成24年度に回収した歯肉、骨組織中の金属イオンを高周波プラズマ発光分光分析装置によって測定した。その結果、NaFを塗布したインプラント周囲から回収した歯肉中からコントロール歯肉中より多くの量のチタンを検出した。次年度は、高耐食性チタン合金に対するNaFの影響をICP法にて検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は規格のチタン試料の準備に時間がかかったが、2年目以降の動物実験の系でほぼ研究の目的を果たすことができるため、その実験を中心に行った。そのため当初の計画実施は若干遅れ気味ではあるが問題ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に回収した歯肉、骨組織中の金属イオンの高周波プラズマ発光分光分析装置(ICP;現有施設)を使用して行う。また、各組織から切片を作製し、タンパク質レベルで組織の変化を詳細に観察する。平成24年度より研究補助者を増員することによって実験の効率化をはかり、研究を遂行する予定である。 初年は成果発表をするデータを取得できなかったが、今後2年間で得られた結果をとりまとめ、成果発表を関連学会で積極的に行う。また、成果発表でインプラント関連の研究者との討論を積極的に行い今後の研究に生かし、最終年度の論文作成へと展開していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
チタンイオン溶出の検出に少し時間を擁してしまったため。高耐食性チタン合金の作製が遅れた。 高耐食性チタン合金の作製が遅れたため平成25年度の経費の一部を作製費に充当する。
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