2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24792096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
郡 英寛 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70589621)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インプラント / 隣接面コンタクト / 天然歯の移動 / 歯周病 / 偶発症 |
Research Abstract |
インプラント治療に伴う補綴的偶発症の中で、天然歯とインプラントの間の隣接面コンタクト(IC)の離開は高い頻度を占める。同偶発症は食片圧入や咬合の変化を引き起こす可能性があるため、同現象についての解明が必要である。ICの離開の原因には、①隣在天然歯の移動、②隣接面コンタクト部の材質の摩耗、③隣在天然歯の歯周病が考えられる。本研究では①と③を同時に調査することとした。現在の進捗状況については以下のとおりである。 ①隣在天然歯の移動に関する検討 インプラント上部構造装着後の患者において、前向きデザインでICの離開量を計測するプロトコールを立案した。本年度は研究実施準備を行った。すなわち、倫理審査資料(研究計画書、同意説明文書、同意書等)の準備、および研究機材の購入と整備、計測手順書の整備、データ収集及び解析法の整備を行った。九州大学医系地区臨床研究倫理委員会の承認後研究実施予定である。 ③IC離開に対する隣在天然歯の歯周病の影響 インプラント上部構造を装着後の患者のICの離開量と隣在天然歯の歯周病の状態を調査する後ろ向き研究を立案した。本研究は九州大学医系地区臨床研究倫理委員会でPermission No 20-24で承認済みの研究であり、被験者収集を開始した。現在45名の被験者について、観察時点での隣接面コンタクト離開の有無、および全顎的歯周病の重傷度、隣在歯の歯周病の重傷度、隣在歯のプロービングポケットデプス、隣在歯の動揺度、食片圧入の有無を調査した。また交絡因子を考え多変量解析を行うため、IC離開に影響する可能性のある因子(年齢、性別、対合歯の状態、隣在歯のvitality、隣在歯の連結状態、インプラント数、インプラント補綴装置の装着期間も同時に調査した。今後はさらに被験者数を増やし、歯周病がIC離開の危険因子であるかどうかロジスティック回帰分析により調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インプラントの隣在天然歯の歯周病のIC離開に対する影響についての調査は順調に進行しており、平成24年度において45症例のデータ収集が完了した。このペースで研究データを収集すれば、当初予定していた研究期間内で研究成果を報告することが可能と考えられる。 インプラントの隣在天然歯の移動に関する検討については、研究実施準備中であり臨床研究倫理委員会の承認を得る必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
インプラントの隣在天然歯の影響に関する検討については、100症例収集予定であり、インプラントのメインテナンスで来院した患者の調査を引き続き行って行く必要がある。本年度から研究補助として大学院生を短期雇用することとしたので、協力を得て被験者収集を完了する必要がある。インプラントの隣在天然歯の移動に関する検討についても、臨床研究倫理委員会の承認後、研究補助者の協力を得て、30名の収集を完了する方策を立案している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はさらに被験者収集する必要があるので、大学院生を短期雇用して、被験者の早期収拾につとめる。また必要症例数の収集が完了したら、研究成果を統計解析し、発表する必要があるので、成果発表の旅費や論文の投稿費として使用予定である。
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