2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
郡 英寛 九州大学, 歯学研究科(研究院), 学術研究員 (70589621)
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Keywords | インプラント / 天然歯 / 隣接面コンタクト / 歯周病 / 食片圧入 |
Research Abstract |
背景および目的:歯周疾患は、天然歯の歯周組織を徐々に破壊し、その支持能力を低下させる。残存歯の支持能力の低下は、天然歯とインプラントの隣接面コンタクト(以後、ICと略す)の接触強さに影響すると考えられる。本研究では、隣在歯の歯周疾患の状態および全顎的な歯周病の重症度がIC離開に与える影響について検討することを目的とする。 材料と方法:選択基準を満たす患者105名(男性38名、女性67名、ICの数186カ所)を対象に、インプラント補綴装置の隣在歯の歯周組織の状態、全顎的な歯周病の重症度および食片圧入の有無を調査した。95名において歯周組織の状態を記録することができた。なお、10名については、当該時期の歯周組織検査結果の欠如、カルテ記載の欠如などの理由でデータを記録できなかった。IC離開の有無とインプラント補綴装置の隣在歯の初診時およびIC調査時における歯周組織の状態、初診時およびIC調査時における全額的な歯周炎の重症度および食片圧入の有無との相関はSpearmanの相関分析を用いて解析した。有意水準はP<0.05とした。 結果:IC離開とIC離開調査時の全額的な歯周病の重症度との間には有意な相関があったが(r=0.246, P=0.001)、隣在歯のプロービングポケットデプス、動揺度、歯周炎の重症度、初診時の全額的重症度との間には有意な相関はみとめられなかった。 考察および結論:IC離開とIC調査時における全額的な歯周炎の重症度は有意に相関しており、全顎的な歯周炎の程度はICの離開に影響を及ぼす因子であることがわかった。また、IC離開と食片圧入には有意な相関があることがわかった。天然歯間の隣接面コンタクトの離開は歯周炎の増悪因子となることが報告されていることから、インプラント治療時には歯周炎の改善およびIC離開時にはその回復が必要となることが示唆された。
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