2013 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素解析によるインプラントアシステッド義歯の動態解析
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24792111
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊東 令華 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (50514866)
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Keywords | FEA / インプラント / 部分床義歯 / ISRPD |
Research Abstract |
右側下顎臼歯欠損部にインプラント補綴による補綴治療を予定している患者に対して,CT撮影を行った。この結果からISRPD(以下ISRPDとする)を想定したインプラントの形態,埋入部位,埋入方向を決定し,ISRPDを製作した.引き続きインプラント体とISRPDをμCT撮影し、患者のCT撮影データと合わせ、DICOMデータを基にISRPDを装着した三次元有限要素モデルを構築した。 構築したモデルの仮想咬合平面に対し,頬側より咬合平面より45度の方向から咬合力を想定した30Nの荷重を与えた。インプラント埋入の有無,ISRPDの設計,インプラントの高さをそれぞれ変化させたモデルで支台歯,ISRPDの変位を分析,比較した。ISRPDの変位の大きさを①床最遠心部、②荷重部位、③ISRPDと歯の接合面の計3箇所で計算し、また支台歯の変位の大きさをISRPDのクラスプが設置される⑥第1小臼歯部、⑦犬歯部の計2箇所で計算した。その結果,ISRPDの設計は従来の部分床義歯と同じ設計と比較し変位量は大きく減少することが明らかになり,各測定部における変位量はインプラント埋入後①48%②33%③53%となった。支台歯の変位の大きさも同様にインプラント埋入後大きく減少し,それぞれの測定部位において④51%⑤47%となった.また、構成要素をより少なくしたISRPDの設計は従来の部分床義歯と比較し差はなかった。 以上の結果は,有限要素モデル上でより最適なインプラントサポーテッド部分床義歯の設計を決定できる事が示唆された.またインプラントの種類においてもより効果的な大きさが示唆させた。過去の研究において実際の患者から得られる複数の要素のCTデータを用いて構築された三次元有限要素モデルを用いて機能時の義歯や歯の挙動を解析した研究は見あたらず,今後ISRPDにおける設計をより効果的なものにすることが示唆された。
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