2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792116
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野間 昇 日本大学, 歯学部, 准教授 (70386100)
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Keywords | 咬筋痛覚過敏 / P2X3受容体 / ATP / 圧痛閾値 |
Research Abstract |
【研究目的】咬筋痛覚過敏の発症機構を解明する目的で、咬筋痛覚過敏モデルラットを用い、P2X3受容体と IL-1βの関係をより詳細に検討した。 【研究実施計画】ラット咬筋の電気刺激(10Hz、10V、30分間)による持続的咬筋収縮を11日間連日行い、咬筋への圧痛刺激に対する逃避閾値を測定した。さらに、咬筋痛覚過敏発症時、ELISA法を用いて咬筋のIL-1β量の測定、および咬筋へ10g, 200g, 300gの圧刺激後のATP放出量の変化について解析を行った。また、刺激側咬筋への A-317491(P2X3, 2/3拮抗薬)投与後の圧痛閾値の変化およびIL-1ra(IL-1受容体拮抗薬)連日投与後の三叉神経節細胞におけるP2X3受容体 の発現を免疫染色学的に観察した。 【結果】持続的咬筋収縮後7日目に圧痛閾値はsham群に比較し有意に低下した。7日目における持続的咬筋収縮後のIL-1βおよび300g刺激後のATP放出量はsham群に比較して有意に上昇した。また、刺激側咬筋へのA-317491 投与により圧痛閾値の低下が抑制された。咬筋へのIL-1ra連日投与は持続的咬筋収縮により増加したP2X3受容体陽性細胞が減少した。【結論】持続的咬筋収縮後、咬筋においてATPおよびIL-1β遊離が亢進し、さらに神経終末に発現したP2X3受容体にATPが結合することによって、咬筋痛覚過敏発症する可能性が示された。
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