2012 Fiscal Year Research-status Report
骨粗鬆症の顎骨骨強度と過剰咬合力による変化の解析法の確立
Project/Area Number |
24792125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Fukuoka College of Health Sciences |
Principal Investigator |
後藤 加寿子 福岡医療短期大学, その他部局等, 准教授 (60389418)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 骨粗鬆症 / 顎骨 / 骨強度 / 咬合力 |
Research Abstract |
骨粗鬆症における顎骨骨質を含めた骨強度状態の診断法確立と補綴物装着後における歯槽骨の骨強度の維持を目的とした最初のステップとして①骨粗鬆症におけるマイクロCTによる三次元画像観察、3D骨梁構造計測からの形態的観察による顎骨の骨強度の解析法の確立と②骨粗鬆症患者における咬合性外傷誘発性の歯槽骨吸収における骨強度の減少とその発症メカニズムの解明について明らかにすることを目的とする。 平成24年度はマイクロCTによる三次元画像観察、3D骨梁構造計測、石灰化度などの骨微細構造における詳細な条件設定を確立し、顎骨骨質の形態的観察を行い、骨強度の解析法を確立してきた。使用マウスは骨粗鬆症モデルマウスとして閉経後骨粗鬆症モデルマウス:卵巣摘出(OVX)又は模擬手術(sham)を施したマウスを作成した。次にマイクロCTによる骨密度および骨形態計測を行った。野生型と骨粗鬆症モデルマウスを用いて、骨密度の経時的な変化を検討した。当大学アニマルセンターに導入されたマイクロCTスキャン(SkyScan-1176)を用いて三次元画像観察、3D骨梁構造計測、石灰化度などの骨微細構造における詳細な変化を評価した。 コントロールとOVXマウスの比較において 骨粗鬆症モデルマウス6週齢DDYマウスを卵巣摘出し4週間後の脛骨の海綿骨BMDを測定した。BMDはコントロールが0.15であったのに対し、OVXは0.07と半分以下の値であった。脛骨近位端の断面図から海綿骨の骨梁がコントロールに比べてOVXマウスでは粗造になっていることが観察された。これより、骨強度が低下していると考えられる。同様に歯槽骨では切歯舌側遠心面から第一大臼歯近心面の皮質骨のBMDを測定したが、歯槽骨においてはコントロールとOVXでは有意な差は認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨強度の計測法の確立において、コントロールマウスと骨粗鬆症モデルマウスを用い、マイクロCTによる三次元画像観察、3D骨梁構造計測などの骨微細構造に大腿骨と下顎骨について骨質を考慮した骨強度の測定法を確立ているが、マイクロCTによる三次元画像観察、3D骨梁構造計測などの骨微細構造に大腿骨では確立されつつあるが、下顎骨について骨質を考慮した骨強度の測定法の確立がいまだ難航している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、現在難航している下顎骨の測定法を確立し、その後骨粗鬆症時における過剰咬合力の骨強度の変化について形態的、生化学的解析を行う。骨粗鬆症モデルマウスを用いて咬合性外傷を誘発させ、歯槽骨の状態変化をマイクロCTと免疫学的解析を中心に行っていく。さらに、これらのマスウの歯槽骨リモデリングに関連する調節因子、特に歯槽骨の吸収促進因子を探索していく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
加齢性骨粗鬆症モデルマウスである老化促進マウス(Klothoマウス)を購入し、今年度と同様骨梁の計測を行っていく予定である。
|