2012 Fiscal Year Research-status Report
生体内実測荷重に基づくインプラント固定性補綴装置の設計に関する生体力学的検討
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24792129
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
郡司 良律 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (70624344)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インプラント / 口腔内実測荷重 |
Research Abstract |
研究目的である歯科インプラント治療における良好な長期経過に不可欠となる,生体力学的観点に基づいたインプラント埋入位置・方向の最適化アルゴリズム構築を目指し、本年度は欠損歯列患者における,咀嚼機能時のインプラントにおける三次元荷重の実測を行った。口腔内測定には三次元小型水晶圧電式センサ(キスラー社製)による三次元経時的測定システムを用いた.測定タスクは日常生活でのインプラント機能時を想定して、最大咬みしめ(MVC)、ワックス咬みしめ(WAX)とした. 計測および分析の結果、インプラントに加わる荷重方向は,咬みしめ開始から最大荷重量に至るまでに,MVCでは緩やかな曲線を描くような変化を示し,比較的安定した軌跡を示したが,WAXでは,様々な方向にベクトルが変化し,複雑な軌跡を示し,各試行において方向が大きく変化する場合があった.また各被験インプラントにおいて,インプラントに加わる荷重は,MVC,WAX両タスクで咬みしめ開始から下方方向の荷重が優位に増加し,前後方向,左右方向への荷重も検出された.インプラントに加わる下方方向の荷重の最大値は, MVCと比較してWAXにおいて全ての方向に対し大きくなる傾向が認められた. 計測においては,インプラントに加わる荷重に対する顎顔面形態の影響を知るために,顎顔面の基準平面の1つであるFH平面を基に設定した基準座標系を用いる手法を用いた.本手法は,被験者間比較の基準として有用であり,また今後予定している多くの被験者および被験インプラントの解析に対応可能である.今後は本年度の計測結果を基に有限要素モデル上での顎骨内力学挙動の解明および補綴学的因子との関連性を解明していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画に準じて,咀嚼機能時のインプラントにおける三次元荷重の実測を行った.次年度以降はさらに計測ケースを増加させる必要があるが,本年度の研究遂行により実験方法が確立しているため,充分に対応可能である。また,本年度の計測により得られた三次元荷重データは次年度以降の研究遂行に資するものである.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究計画に基づき,計測ケースの増加および計測データの有限要素解析への適応を行う.また、解析結果からインプラント荷重に影響を与える補綴学的要因を解明し、生体力学的評価に基づくインプラント設計システムの確立へと繋げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は実験手法の確立に重点を置いたため、計測ケースを限定した。そのため,計測に用いるインプラントおよび上部構造,また解析用設備の購入を一部保留している.当該研究費は次年度以降のデータ解析に必要不可欠である解析設備および資料収集・成果発表旅費等に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)