2012 Fiscal Year Research-status Report
唾液腺細胞の継代安定培養法を用いた唾液分泌細胞再生療法の開発
Project/Area Number |
24792131
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笠松 厚志 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60375730)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 唾液腺 / 長期培養 / ROCK作用薬 / 唾液腺再生療法 |
Research Abstract |
平成24年度の研究実施計画に基づき実験を遂行した。唾液分泌障害は、自己免疫疾患、放射線照射、癌術後、加齢などにより多くの患者を苦しめている。しかも、口腔領域だけではなく、咽頭、食道、胃腸に至るまでの粘膜免疫にも唾液は重要な役割を果たしていると考えられている。本研究は、唾液腺が切除、あるいは、荒廃してしまった患者に対して、唾液腺再生療法を開発することを目的とする。まず、我々が確立したRock作用薬を用いた唾液腺細胞の初代培養を容易にする方法のメカニズムを以下の三点を中心に解析した。 1.Rock作用薬が関与するRockIIの下流遺伝子で細胞形態に関係するMYPT、細胞の生存に関与するPTENのリン酸化をウェスタンブロット法にて解析を行った。Rock作用薬を使用した細胞ではリン酸化MYPTおよびリン酸化PTENの発現が減弱していた。2.唾液腺マーカー(アミラーゼ、アクアポリン、クラウディンなど)の発現が高いため、それらのプロモーターに作用する転写因子を同定し発現解析を検証した。(Sp1, GATA-1, GATA-6, HNF-4alpha, Cdx2, Snail)3.形態変化を視覚的に検証するためF-actinの免疫蛍光染色法を行ったところ、Rock作用薬を使用することにより細胞間接着が密になっていた。一方、Rock作用薬を使用しないで培養を行うと線維芽細胞様の形態変化が見られた。 次に、Rock作用薬用いて培養した細胞をヌードマウスに移植し形成された組織を解析した。 1.移植片では唾液腺マーカーのmRNA発現(RT-PCR法)、タンパク質発現(免疫組織染色法)ともに高発現を示していた。2.移植片での細胞増殖能を検証するため、PCNA抗体を用いて免疫組織染色を行った。その結果、PCNA陽性細胞が多く認められ、増殖能力が高いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画通りに実験が実施・進行しており、平成25年度計画も着実に遂行する準備が出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
Rock作用薬の安全性を培養細胞および実験動物を用いて検証する。 (核型解析や毒性試験にて安全性に関する確実なデータ取得を目標とする。)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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