2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792133
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野崎 浩佑 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00507767)
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Keywords | チタンインプラント / 表面改質 / 電気分極 / 骨形成 / マイクロアーク酸化 / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
生体と接する生体材料の表面の形態や性状は生体の反応に影響を及ぼすことが明らかとなってきた.そこで,我々は生体反応をマニピュレートすることを目的としたベクトルマテリアルを作製するために,生体親和性を有するセラミックスを,電気分極を用いて表面改質を行い,培養細胞の増殖・接着・分化に及ぼす影響を検討する実験系を確立してきた.本研究では,生体材料として広く使用されているチタンを用いて,動物実験用チタンインプラントを作製し,インプラント表面にMAO処理により酸化チタン膜を作製し,さらに電気分極による表面改質を試みた.また,作製したチタンインプラントを日本白色家兎の左右大腿骨内側上顆に埋入し,4,6,12週間後に周囲組織を含むインプラントを摘出し,生体内評価を行ったところ,以下の知見を得た. 1,動物実験用インプラントを作製し,電気分極処理による表面改質を行った.2,分極インプラントは未分極インプラントと比較して,すべての期間において有意に引っ張り強さが増加した.3,マイクロCTによりインプラント周囲の骨形成量を比較したところ,分極インプラントおよび未分極インプラント間で差は認められなかった.4,引張り試験後のインプラントに付着している骨量を比較したところ,分極インプラントでは有意に骨付着量が増加した.5,光学顕微鏡による組織学的検討を行ったところ,分極インプラントおよび未分極インプラントともに,骨とインプラントが直接結合するオッセオインテグレーションを獲得していることが分かった. 以上より,分極インプラントは生体内において,骨とインプラントの化学的結合の増加によりインプラントの安定性が増すことが明らかとなり,電気分極処理によるインプラントの表面改質が有用であることが示唆された.
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Research Products
(15 results)