2012 Fiscal Year Research-status Report
磁場を利用した成長因子・細胞局所注入法と超音波照射を応用した骨膜伸展骨形成法開発
Project/Area Number |
24792138
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
樋口 雅俊 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (70436856)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 骨膜伸展骨形成 |
Research Abstract |
骨延長法は、手術侵襲が低いにも関わらず、確実に骨形成が期待できる骨増生法であり、顎顔面領域における骨の変形の修正や骨欠損部の再建、デンタルインプラント埋入のための前処置に際して新しい治療法として確立されつつある。しかし、母床骨の骨切りが必須であり、その母床骨が貧弱な場合には満足のいく骨増生は得られない。本研究では、母床骨が貧弱な場合であっても骨の増生が期待できる骨膜伸展骨形成法において、骨の増生を促進させる生理活性物質を、磁場を利用したDrug and Cell Delivery Systemにて定着させるとともに、骨形成をより促進させる手法として従来から導入されている超音波照射による治癒促進能を応用し、最も効果的な骨増生効果を得るための条件や手法を検討し、骨膜伸展骨形成法をより確実な骨増生法として確立させることを目的とした。 骨延長法においてトランスポートセグメントに代わるものは無く、母床骨が細い・薄いなどの不利な条件の場合の骨増生が懸案事項となっていた。骨切りを要さず、骨延長と同様に骨膜下スペースを徐々に拡張してそのスペースに骨を形成させる骨膜伸展骨形成法を応用することで骨延長法の適応拡大を目指しているが、より確実な骨増生効果を得るために、骨膜下のスペースに骨形成因子などの成長因子を注入・移植し、骨形成効果を高めることを計画した。この際、注入した成長因子を作用させたい部分に停滞させるために、磁場を利用したDrug and Cell Delivery Systemを応用するとともに、定着した成長因子による骨形成効果を最大限に向上させるために、すでに広く実績のある超音波照射療法をも応用する実験である。 現在、ウサギの顎骨を利用し、上記の実験系の確立を図って、試行錯誤を重ねている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウサギの顎骨を利用し、骨膜伸展骨形成法の実践を開始しているが、延長装置の設置位置の検討や再現性の問題を解決しきれておらず、実験系の確立のために、試行錯誤を重ねている状況である。 磁場を利用したDrug and Cell Delivery Systemを応用しているが、磁力の設定や磁場発生装置の設置位置等も再現性を高めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
再現性、客観性を常に意識しながら最終的な実験系の確立を目指すことが第一であるが、次の段階としては、超音波の照射条件や成長因子自体の選択。磁場の条件等の組み合わせを変更し、骨形成能がもっとも高く得られる条件を検索していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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