2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792145
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田島 暢崇 長崎大学, 大学病院, 助教 (00447492)
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Keywords | 骨再生医療 / 多能性幹細胞 |
Research Abstract |
本年度は、まず歯根膜細胞から酸素濃度0.1%かつlow glucoseの重度低酸素条件で生存する細胞の特性解析を行った。その結果、上記の低酸素条件に12~24時間曝されることによりStro-1をはじめとする間葉系幹細胞(MSC)マーカー陽性の細胞群が濃縮され、さらにその中の細胞に多能性幹細胞のマーカーであるOct4やSox2、あるいはNanogの一過性の発現上昇を認めた。しかしながら、16時間以上の低酸素暴露によって、生存する細胞数が顕著に減り、通常酸素濃度に回復後も細胞の生存性が有意に低くなることが分かった。一方、12時間程度の暴露であれば、細胞の生存性に大きな影響を認めなかった。そのため、この条件にてヘテロな細胞群である培養歯根膜細胞から、ある程度均一な多能性幹細胞群が抽出できると考え、骨、軟骨、脂肪に分化誘導を行うこととした。そして、それぞれの分化培地にて、分化誘導を行ったところ、骨芽細胞に有意に分化誘導が可能であることが分かった。そのため、生体での骨誘導能を評価するため、移植実験を開始した。移植実験は、ラット頭蓋骨に骨欠損を作製し、低酸素条件後に回収した細胞をフィブリンゲルと組み合わせて移植を行う群と、低酸素条件後に骨芽細胞分化を行った細胞をフィブリンゲルと組み合わせて移植を行う群を作製し、低酸素条件を経ていない細胞群の試料と比較することとしした。実験は、移植を一通り終え、採取した試料に詳細な解析を加えているところである。
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