2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト成熟脂肪細胞由来脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた歯周組織再生に関する研究
Project/Area Number |
24792147
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉元 剛彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, その他 (60419653)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | DFAT / 歯周組織再生 / 骨組織 / 歯周病 |
Research Abstract |
現在、様々な組織における再生医療において細胞を用いる療法が注目を集めている。成熟脂肪細胞由来脱分化脂肪細胞(mature adipose cell derived dedifferentiation fat cell: DFAT)は成熟脂肪組織より分離し脱分化させた細胞であり骨、軟骨、脂肪等に分化可能であることがすでに報告されている。このようなことから, 細胞移植療法の有力なソースの一つとして考えられている。本研究の目的はDFATを用いた歯周組織再生の確立を目的としin vitroにおいては分化誘導、遺伝子発現、in vivoにおいてはDFATを担体と共に実験動物に移植し組織再生について検討することである。まず、初めに in vivoでのDFATの骨欠損における硬組織形成能については十分に検討されていないため, 歯周組織・骨組織欠損に対する応用に向けた基礎的研究として,ラットより分離・培養したDFAT (rDFAT)を用い, 分化能の評価およびラット頭蓋骨欠損モデルを用いた骨形成に関する研究を行った。その結果、1.分離培養したrDFATにおいて、脂肪分化・骨分化培地にて培養したところ、脂肪滴および石灰化物の形成を認め、脂肪細胞および骨芽細胞への分化が確認された。2.ラット(Wistar系)頭蓋骨欠損モデルにおいて、Control群, Scaffold(GC研究用scaffold ブロック HAP+)群では骨欠損の閉鎖を認めず、Scaffold + 無刺激rDFAT群では1個体のみ骨欠損の閉鎖を認めた。一方, Scaffold + 骨分化刺激rDFAT群では良好な骨欠損の閉鎖傾向を認めた。これらのことからrDFATでは骨分化刺激後の細胞移植が骨再生に有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DFATの分離法は確立し、in vitroでの評価およびラット頭蓋骨欠損モデルの確立とDFATの移植による評価まで進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroにおける、骨芽細胞様細胞への効率的な分化法を確立し、再度、頭蓋骨欠損モデルにて評価する。また、GFP発現DFATを確立し、in vivoでの動態を観察する。しかるのちに歯周組織欠損モデルへのDFAT移植を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し
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