2013 Fiscal Year Research-status Report
成体由来幹細胞の分離技術・遺伝子導入技術を用いた歯牙・歯周組織再生
Project/Area Number |
24792151
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新部 邦透 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50468500)
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Keywords | 再生医療 / 歯原性上皮 / 歯原性間葉 / 歯牙再生 / iPS細胞 |
Research Abstract |
前年度は非歯原性間葉細胞が歯原性細胞に成り得るかを解析した。胎児口腔内は予想よりも移植操作が難しく、また細胞移植できた としても母親の腹に戻し出産される確率は約3割程度であったため、時間とコストがかかり研究計画を練り直した。そこで本年度は成体マウス由来間葉系幹細胞をマウス成体前歯部歯胚への移植実験へ切り替えた。マウスは成長後も前歯部が伸びることが知られており、歯根尖にはまだ歯胚を構成する細胞が残っていると考えられる。そこで、前歯部歯胚への移植を行う事で骨髄間葉系幹細胞が歯原性細胞に成り得るかを解析した。この方法はより実際の再生医療を見越した方法であるが、歯胚の形成は胎生期の上皮と間葉の相互作用が重要であるため、間葉系幹細胞に成体の上皮系細胞からの何らかのシグナルが入り上皮間葉相互作用が起こるかは定かではなかった。移植、解析を何度か行ったが、移植細胞の生着は残念ながら確認できなかった。一方で、iPS細胞を用いた歯牙硬組織再生にも取り組んでおり、我々の教室では東京理科大の辻先生のグループが発表した器官原器法の培養法を当科独自に再現できる環境を整えてきた。現在、iPS細胞からの歯原性上皮細胞、歯原性間葉細胞の誘導系を当教室にて確立している段階であり、またこれらの細胞を用いた3次元での器官培養法も可能である。申請時に提出した研究計画にはiPS細胞の使用は視野に入れていなかったが、2014年度は成体由来細胞、iPS由来細胞の両者を用いた器官培養法を行い、3次元培養において硬組織が作成可能かを解析する。生着が確認できない場合は、マイクロアレイ解析による歯原性間葉特異 的遺伝子の特定を行い、遺伝子導入による歯原性間葉の誘導を行おうと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に則った研究を行って来たが、細胞の移植実験が手技的に大変複雑であり、マウスの生存率が低くなってしまうため、研究計画の練り直しを余儀なくされた。申請時の研究計画では、iPS細胞の利用は視野に入れていなかったが、これまでの解析においてiPS細胞の使用も視野に入れ、解析を進める事となった。一方で、細胞の培養や細胞の分化誘導は一定の進展があったため、細胞移植の系を確立できれば2014年度は解析が進むと期待できる。移植系においては現在予備的に移植モデルマウスを作成しており、期待できると確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度からマウス飼育室の感染などから研究が一時ストップしてしまい、実験結果から一部の研究計画を練り直す事になった。2013年度に行った予備実験や培養・細胞分化誘導実験の積み重ねから、2014年度はある程度解析が進むと期待している。2013年度は予備的な解析等が多く、既存の試薬を使用したため、研究費をあまり使用しなかったが、2013年度の解析結果を踏まえ、2014年度は本格的な解析が始められるため、計画的な研究遂行が必要である。 マウスへの細胞移植実験は解析が進む中で、生着率はもちろんのことマウス自身の生存率も高めなければならないため、より低侵襲で確実な移植方法を今後も模索していかなければならないと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度の実験結果により大幅な研究計画の練り直しを行った。そのため2013年度は予備解析が主な研究となり、既存の試薬を使用する事で研究がまかなえた。2014年度はこの予備解析を元に本格的な解析を行って行く予定である。 2013年度の予備解析により当初予定であった細胞移植実験・解析を2014年度に行うため、次年度使用分はその移植実験に使用するマウス、細胞培養試薬に使用する事になる。2014年度請求分は研究計画により、移植後の解析を行って行く。
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Research Products
(3 results)