2014 Fiscal Year Annual Research Report
超急速凍結とアクアポリン発現による幹細胞の選択・濃縮
Project/Area Number |
24792152
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 靖浩 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40398780)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 凍結 / アクアポリン |
Outline of Annual Research Achievements |
凍結時の障害要因となる氷晶を如何に防止し、細胞膜障害の原因となる浸透圧差を軽減させることが、より良い細胞保護液に求められている。本研究では、主に水透過に関わるアクアポリン(AQP)の関与を確かめるために、CHO細胞にAQP4を安定発現させた細胞株と発現させていない細胞株を10%DMSOと混合し、液体窒素内で瞬間凍結させた。その結果、AQP4安定発現細胞は、未発現細胞と比較して超急速凍結(-120℃/分)・融解後の生存率が2.4%から60.5%まで著しく上昇すること発見した。さらに、このAQP4安定発現細胞と未発現細胞を種々の割合で混合培養した細胞群を、超急速凍結融解させ、生存した細胞集団をフローサイトメトリー法で解析したところ、AQP4発現細胞のみ選別(99 %以上)された。つまり、超急速凍結(液体窒素)によって、耐凍性を獲得したアクアポリン発現細胞のみを選別・濃縮できることを明らかにした(Kato et al, PLoS ONE, Feb 2014)。さらに、ES細胞においても神経系へ分化した細胞に発現する、内在性AQP4の耐凍性をマーカーとした凍結選別を行う事が示された。これによって、従来のようなマーカー染色やソーティング作業を必要としない、シンプルかつ安全な方法が実証された。超急速凍結による細胞選択・濃縮法は、一般的なマーカー染色やソーティングによる選択作業を必要としないため、より安全で均一な細胞を多量に必要とする再生医療や薬剤スクリーニングへの波及が期待される。
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[Journal Article] Unprecedented Cell-Selection Using Ultra-Quick Freezing Combined with Aquaporin Expression2014
Author(s)
Y Kato, T Miyauchi, Y Abe, Kojić, M Tanaka, N Chikazawa, Y Nakatake, S. B. H. Ko, D Kobayashi, A Hazama, S Fujiwara, T Uchida and M Yasui
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 9
Pages: e87644
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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