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2012 Fiscal Year Research-status Report

機能性を付与した支台築造用コンポジットレジンの開発

Research Project

Project/Area Number 24792156
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

内田 僚一郎  日本大学, 歯学部, 助教 (10623960)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords歯科用コンポジットレジン / フッ素徐放性モノマー / 重合開始剤
Research Abstract

本研究ではフッ素徐放性、歯質接着性等の機能を付与した付加価値の高いコンポジットレジンの開発を目的としている。開発予定のコンポジットレジンは光重合、および化学重合触媒をそれぞれ含む2ペーストタイプのデュアルキュア型支台築造用コンポジットレジンである。
本年度は、予備実験として光重合型コンポジットレジンペーストのベースモノマー組成比を決定するために光重合開始剤(カンファーキノン)と新規重合促進剤(トリルジエタノールアミン:p-TDEA)の添加量を決めた後、フッ素徐放性モノマー(ホスファゼンモノマー:PEM-F)を添加した光重合型コンポジットレジンペーストを試作し、PEM-Fの添加量がコンポジットレジンの機械的強さおよび重合後のフッ素徐放量に及ぼす影響を検討した。すなわちマトリックスレジンとしてBis-GMA:TEGDMA=1mol:1molの配分比に対してPEM-F1mol添加群、3mol添加群、未添加群(コントロール)の3種類の光重合型コンポジットレジンペーストを試作し、曲げ強さの測定、および経時的なフッ素徐放量を測定した。
その結果、コンポジットレジンの曲げ強さはPEM-F未添加で約81 MPa、1mol添加で約66 MPa、3mol添加で約50 MPaとPEM-Fの添加量が増加すると低下する傾向を示した。
しかし光重合型コンポジットレジンからのフッ素徐放量は増加し、1日浸漬と比較するとやや低下するものの、1週間浸漬後のフッ素徐放量はPEM-F1mol添加で約0.1 ppm、3mol添加で約0.9 ppmと持続的に安定した値を示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

フッ素徐放性および歯質接着性の機能を付与したコンポジットレジンの開発に関する報告は数少ない。本研究では光重合および化学重合により重合硬化する2ペーストタイプのデュアルキュア型築造用コンポジットレジンの開発を行う。本年度は、予備実験として2ペーストのうち、光重合型コンポジットレジンペーストのベースモノマー組成比を決定するための実験を行った。すなわち、フッ素徐放性機能を付与すべく、フッ素徐放性モノマー(PEM-F)を含有した光重合型コンポジットレジンペーストを試作し、その添加量がコンポジットレジンへの機械的性質に及ぼす影響を検討した。
一般に0.05~1.0 ppmの微弱なフッ素を経時的に歯質に反応させると歯質強化につながることが報告がされているが、PEM-Fを1mol添加したコンポジットレジンはその値を上回っていた。
本年度行った予備実験により、デュアルキュア型コンポジットレジンの2ペーストのうち、光重合型コンポジットレジンペーストのベースモノマー組成比が決定され、ある程度の強度およびフッ素徐放量が確認されたため、次年度は残りのもう一方のペーストのベースモノマー組成比を決定する研究を円滑に行えることを考慮すれば研究計画は現在順調に進行中である。

Strategy for Future Research Activity

機能性を付与した支台築造用コンポジットレジンの開発というテーマに基づいて、開発予定のデュアルキュア型コンポジットレジンの2ペースト成分のうち本年度は光重合型ペーストのベースモノマーの組成比を決定した。
今後の実験計画としては、デュアルキュア型コンポジットレジンの残るもう一方のペースト成分である化学重合型ペーストのベースモノマーの組成比を決定し、デュアルキュア型コンポジットレジンを開発する予定である。化学重合型ペーストのベースモノマーには、重合開始剤に歯質接着性を示す4-メタクリルオキシエチルトリメリット酸(4-MET)、重合促進剤にp-トルエンスルフィン酸ナトリウム(p-TSNa)を添加する予定であり、開発したデュアルキュア型コンポジットレジンの歯質接着性の試験を行う。
また、フッ素徐放量の評価についてはう蝕原因菌(Streptococcus mutans)を用いた培養試験を行い、抗菌性を示すのに有効なフッ素徐放量も検討する予定である。その結果次第では、必要があればモノマー成分のみでなくフィラーの一部にフッ素徐放性機能の付与も検討していく予定である。
本研究課題である支台築造用コンポジットレジンの開発が可能となれば、将来的にはう蝕になりにくい歯科用コンポジットレジンとして歯牙の喪失を防止し、社会に貢献できることを確信しながら本研究課題を推進していく次第である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

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Published: 2014-07-24  

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