2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792167
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 学 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (40613998)
|
Keywords | 癌化学療法 / アポトーシス / 癌血管新生 / オートファジー |
Research Abstract |
[目的]本研究の目的は新たに血管新生抑制効果が期待されるセレニウム化合物を用いて、従来の化学療法では対応できなかった口腔癌の血管新生・転移の抑制を目指すことである。[方法]セレニウム化合物Seleniteのヒト口腔癌細胞株(HSC-3,-4,SAS)における増殖抑制効果はMTT法、アポトーシス、カスパーゼ活性、小胞体ストレスマーカー、オートファジーマーカーに関してflow cytometricまたはWestern blotにて評価した。[結果]口腔癌細胞株(HSC-3,-4,SAS)においてselenite処理により有意な増殖抑制、アポトーシス誘導効果が認められた。Seleniteに対し感受性の高いHSC-3においてcaspase-3,-8,-9の活性化が認められ汎カスパーゼ阻害剤z-VADにてアポトーシス誘導効果が抑制された。また小胞体ストレスマーカーであるカスパーゼ12、eIF-2αの活性化が認められた。さらに抗癌剤耐性、癌血管新生に関与しているHIF-1α、VEGF-Aに関して5FU、CDDP処理では発現増強が認められselenite処理では抑制された。また、細胞増殖に関わるAkt/PI3K経路を解析したところselenite処理によりAktの活性抑制が認められた。また、Seleniteがオートファジーに関与しているのか調べたところ、オートファジーのマーカーであるLC-3-IIの発現増強が認められ、オートファジー阻害剤である3MA処理によりseleniteのアポトーシス効果増強が認められた。[考察]Seleniteは口腔癌細胞株においてカスパーゼ依存的なアポトーシスを誘導し、HIF-1α、VEGF-Aを抑制したことから局所制御能、転移抑制能に優れていることが示唆された。さらにオートファジーの誘導が認められ、効果増強にはオートファジーの制御が重要であることが示唆された。
|