2014 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸産生が術後痛に与える影響-酸感受性チャネルを介した痛みのメカニズム-
Project/Area Number |
24792168
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 真 東北大学, 大学病院, 助教 (70431591)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 術後痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、術後痛に対し、局所での乳酸産生が及ぼす影響を明らかにする事を最終目的として進めてきた。前年度までに、マウス足底に数mmの切開を加えた術後痛モデルを用い、各種術後痛の観察を行ってきた。金網の上にマウスを乗せ自発痛を、von freyフィラメントを使用した機械刺激による疼痛、熱刺激による逃避行動を調査した。また、この術後痛モデルにおいて、切開のみの群とクロモグリケイドの足底への局所投与(200 μg/20 μl)を行った後、切開を施した群を比較し、クロモグリケイドを投与した方が、自発痛、機械刺激により生じる疼痛を抑制し、熱刺激は抑制しない事を明らかにした。 最終年度となる本年度は、このモデルでの熱刺激の抑制、自発痛、機械刺激による疼痛抑制を生じる最小濃度を導き出す事を目標に、様々なクロモグリケイド投与量を使用した。その結果、クロモグリケイド(400 μg/μl)にて熱刺激による逃避行動の抑制が現れた。自発痛、機械刺激による疼痛は100 μg/μlにて若干の抑制がみられた。 この結果を元に、電気生理学的解析のため足底神経付きの皮膚を取り出し、足底皮膚ー足底神経標本を作製、人工細胞間質液内で皮膚表面刺激による活動電位変化を観察する事を予定した。しかし、足底皮膚ー足底神経標本を用いた予備的実験において安定した結果を得る事ができず、このモデルで薬剤、酸が及ぼす影響は不明確なままで、これは今後の課題となった。
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