2012 Fiscal Year Research-status Report
痛みによるストレス反応を客観的にとらえる指標の検討
Project/Area Number |
24792169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗原 淳 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10508899)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
平成24年度の臨床研究については、痛みによるストレスを客観的に評価できる指標の検討 ―知覚・痛覚定量分析装置、唾液α-アミラーゼ活性、血清マロンジアルデヒド値を用いた評価―であり、公募した健常な一般人を対象者とし、Power analysisを行った結果、予定対象者人数は26人であったが、今年度、実際に施行した人数は14人であった。実験的な痛みの誘発は、 重量によるものであり、先端の平坦な、直径約3mmのロッドの上におもりを負荷して、皮膚を圧迫することで発生させる。段階的におもりの負荷量を増加させ、痛みの強度を変化させる。痛みを与える部位は、各被験者の下腿脛骨骨幹部前面とした。痛みの均一化をPain-vision™により行い、痛み度=(痛み対応電流-最小感知電流)/最小感知電流 を決定し、均一化された痛みとする。同等の痛み度を3段階設定し、これらを誘発するおもり・温度を各被験者で決定する。 測定項目はストレスマーカーと痛み度の相関関係で、唾液α-アミラーゼ活性と痛み度との相関関係を分析した。 また同時にVAS(Visual analogue scale)法により評価した痛みの値と痛み度との相関関係を記録した。この結果、唾液αアミラーゼ活性と痛み度は正の相関関係を示した。また、VASと唾液αアミラーゼ活性も、正の相関関係を示した。現時点では、唾液αアミラーゼ活性は、客観的なストレスマーカーになりうる可能性が示唆されるが、今後も残りの対象者にも施行し、検討する必要があると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は予定対象者全員に対して、痛み度と唾液αアミラーゼ活性をの測定を施行する予定であったが、公募対象者が集まらなかったため、施行途中である。また、ストレス下での血清マロンジアルデヒド値の適切な測定方法、測定時期に関して、依然として検討中のため、施行できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
公募対象者をさらに募り、予定対象人数まで施行する予定である。対象者の招集が悪い場合には、謝金等も検討する。血清マロンジアルデヒドの測定時期について、文献を含めた、早期の検討をすすめ、ストレス下での測定を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の結果を学会ならびに論文等で発表する資金(旅費を含め)として、研究費を使用する予定である。また、時間的な余裕があり、可能なら、実験計画に記した、臨床研究2:アルファ2作用薬のデクスメデトミジンおよび超短時間性ベーター遮断薬のエスモロール静脈内投与に対する術後疼痛の検討 についても、薬剤含め、資金を使用する予定である。
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