2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症性刺激を活用した新規の骨修復・再生治療法の研究と開発
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24792170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
逸見 晶子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40613055)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨欠損修復 / 炎症 / 石灰化 / 歯学 / NF-κB |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、頭蓋骨修復に関する研究の基礎となる頭蓋骨の発生・成長に関する研究に携わった。胎生16日齢から生後6週齢におけるラット頭蓋骨の発生・成長過程を検討した。組織切片上で、胎生16日に頭蓋骨の形成が認められた。エネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)による分析では、CaとPの元素分布は骨組織に一致して見られ、Cの元素分布とは相補的であった。骨基質における元素濃度比Ca/Pは胎生16日で低く、発生・成長に伴い上昇する傾向が見られた。また、C/Ca、C/Pは胎生16日で高く、胎生18日以降は低下した。X線回折(XRD)および赤外分光法(FT-IR)でXRDによる解析では、胎生16日以降生後6週に至る発生・成長過程で骨基質の結晶構造が成熟するのに伴い、ミネラルに対するタンパク質の割合が低下することが示された。このことから、発生・成長過程で、タンパク質等の有機質の減少を伴いながら石灰化が進行することが示された。これらの成果は論文にまとめJournal of Bone and Mineral Metabolismに投稿し、受理された。
さらに本年度は、完全には修復されない大きな骨欠損(一次欠損)を作製し、一次欠損修復停止後に、残存欠損より大きい欠損(二次欠損)を作製して実験的に新たな炎症を起こし、骨修復が再開して欠損が完全に治癒するか否かを検討するため、実験系を確立する予備実験を開始したが、妊娠・出産のため現在育児休業中で、研究活動を中断している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度に引き続き、東日本大震災で被災した研究棟改修による研究室移転のため実験が中断した。その後、妊娠に伴い産前産後休暇および育児休業を取得し、再度、実験が中断した。
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Strategy for Future Research Activity |
復帰後のH28年度は、本年度中断した、二次欠損修復実験系確立ための予備実験を行う予定である。さらに、骨欠損修復における炎症性サイトカインの役割を調べるために、規格化骨欠損モデルにデコイ核酸を適応して、nuclear factor-kappa-B(NK-κB)を阻害し、NFκ-Bに発現を支配される炎症性サイトカインの作用を一括して抑制する実験系の検討も併せて実施する予定である。
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Causes of Carryover |
H26年度は、東日本大震災で被災した研究棟改修による研究室移転と産前産後休暇・育児休業のため、研究計画が大幅に遅れ、未使用額が生じた。産前産後休暇および育児休業のため、平成26年12月1日から平成28年4月30日まで研究を中断する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、復帰後、平成28年度の研究遂行に使用する予定である。
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