2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792172
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
桑島 精一 秋田大学, 医学部, 助教 (40569448)
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Keywords | がん免疫 / CpG |
Research Abstract |
申請者はこれまでにB16F10(悪性黒色腫細胞株)をマウスに生着させ、腫瘍モデルを作成した。これらにCpG-ODN(以下CpG)を投与したところ、一部のマウスにおいて腫瘍成長の遅延や成長抑制が観察された。このメカニズムを解明するべく、以下、生体内の反応について検討した。CpGを投与すると、IL-12p40、IFN-γ、IL-6、TNF-αが血中に生産されていて、脾腫が観察された。このことが腫瘍にどのように作用しているのか、BrdUの取り込み実験を行った。PBS投与群とCpG投与群において、腫瘍部の細胞周期に変化がみられないかを免疫組織染色で検討したところ両群に差はみられなかった。また、腫瘍部にアポトーシスが誘導されていないかを、TUNEL染色で確認したが、両群の間で差がみられなかった。次に、培養系において、抗腫瘍薬DTICとCpGをそれぞれ添加してPI染色を行い、FCMで検討した。DTICでは腫瘍細胞の44%がPI陽性(アポトーシス)で、コントロールとCpGでは5%程度であった。以上から、CpGは腫瘍の細胞周期に変化をもたらすことはなく、アポトーシスも誘導していなかった。腫瘍部でのCpGの効果が観察できないようなので、生体側の反応をみてみた。同様に、腫瘍モデルマウスにCpGを投与して、骨髄細胞へのBrdUの取り込みをFCMでみたところ、CpG未投与の腫瘍モデルマウスでは13%程度のBrdU取り込み(S期)がみられ、CpG投与群では70%と著明な上昇を認めた。以上から、骨髄に作用していることから、末梢血液細胞の分化に変化があり、そのことが腫瘍の成長に影響しているものと考えられた。腫瘍の中心部で観察され、転移に関与していると言われているMDSC(Myeloid Derived Suppressor Cells)の末梢血液分画をFCMで検討した。MDSCには亜種がありGr-1 hiとLy-6C hiに分けられる。CpGを投与するとMDSC分画の相対的な現象がみられ、中でもGr-1 hiの分画が著明に減少していた。
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