2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌におけるECMタンパクDPTを中心とした転移抑制機構の解明
Project/Area Number |
24792174
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大和地 正信 筑波大学, 附属病院, 医員 (70451747)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 臨床腫瘍学 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前より我われは, 口腔がんでは in vitroおよびin vivoでDermatopontin(DPT)の発現が有意に低下し, その発現と接着/転移能に関連があることを示してきた. 本研究は, そのDPTに関わるmicro RNAを用いた癌の転移制御を目的とした. 前年度までに定常状態の口腔がん由来細胞株と, その対照となる正常ヒト表皮ケラチノサイト(HaCaT)を用いて, 様ざまながんで発現異常の報告されている主要なmicroRNAについて網羅的な発現解析を行った. その結果, 口腔がん細胞株で有意に発現変化のあるmicro RNAを絞り込んだ. そのなかで let-7 familyであるlet-7a-5p, let-7b-5p, let-7c, let-7d-5p, let-7e-5p, let-7f-5pは有意に発現が減弱していた. これらに加え, 手術検体から採取した口腔がん組織, 口腔がん患者の唾液および血清からmicro RNAを抽出し, 候補となるmicro RNAの絞り込みを行った. 口腔がん患者の血液および唾液で共通して発現亢進を示すmicroRNAにはlet-7b-5p, miR-25-3p, miR-92a-3pが含まれていた. 口腔がん由来細胞株に対しlet-7b-5p, miR-25-3pをトランスフェクションしたが, DPTの発現変化は認めなかった. DPTの発現に関与することが示唆されるmicro RNAについてデータベース上で検索し, 3種類microRNA( miR-4441, miR-4752, miR-3158-5p)の発現状態をin vitroで確認した. その結果, 口腔がん由来細胞株におけるmiR-4441, miR-4752, miR-3158-5pの発現は正常細胞と比べ, 統計的に有意な発現亢進は認めなかった.
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