2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24792177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 雄介 東京大学, 医学部附属病院, その他 (90586471)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | LIPUS / 骨芽細胞分化 / 破骨細胞分化 / ex vivo culture |
Research Abstract |
本年度は低出力パルス超音波刺激(LIPUS)によるin vitroでの効果検証とマウス胎仔頭蓋骨のex vivo培養系を用いた効果検証を行った。in vitroでの培養細胞に対する効果検証にはMC3T3E1,RAW264.7, に対して刺激開始1、4、7日目のmRNA発現状況をリアルタイムPCRによって検討した。ex vivo培養系では、頭蓋骨のパターニングが完了したE15.5のマウス胎仔より摘出した頭蓋骨を用い、培養開始前、および培養開始後7、14日目の骨形成状況を組織学的に検討した。 MC3T3E1細胞に対する刺激により骨芽細胞分化マーカーALP, BSP, OCの発現上昇が刺激開始後4日目、7日目で観察された。この効果は、陽性コントロールとして用いた、既知の骨芽細胞分化促進剤であるSAGおよびTHの組合せ効果とほぼ同じ傾向を示しており、また、LIPUS刺激が骨芽細胞分化を促す先行研究におけるデータを追従する結果を得られた。RAW264.7に対するLIPUS刺激では、破骨細胞分化マーカーItgb3,TART,CATK, MMP9の発現上昇が刺激開始後4日目、7日目で観察された。この結果は、陽性コントロールとして用いたRANKL刺激とほぼ同じ傾向を示し、かつ陰性コントロールでは発現上昇が起こらない状況から、LIPUS刺激による効果と考えられた。 ex vivo培養系では、LIPUS未刺激群では14日間の培養のうちに著しく変形を伴うのに対し、LIPUS刺激によって、骨形成が促進されるために変形がわずかであった。このことはLIPUS刺激による骨形成のために骨格形態が保たれたものと考えられた。また、組織学的にも14日目頭蓋骨でLIPUS刺激を与えたものに有意な骨形成が認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は細胞培養時の条件検討に多くの時間を費やしており、当初の計画よりもやや遅れている。しかしながら、計画立案時に予想していた破骨細胞分化に対する効果をもたらす可能性を示唆するデータを得ており、やや遅れているが前進しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針は一部変更が必要な可能性が生じると思われる。研究計画立案時には、in vivoのラット側方拡大術モデルによる後戻り防止効果の検証を提案していた。一方でLIPUS効果のメカニズムについても解明を試みる計画であった。両者の必要度と安全かつ原理の明らかな治療提供を目指すという社会還元性を考慮し、動物モデルによる臨床上の効果検討以上にメカニズム解明の必要性が高いと判断し、メカニズム解明に優先的に注力したいと考えている。今後の研究実施状況を考慮し動物モデル実験は再開したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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