2013 Fiscal Year Annual Research Report
パラフィン包埋組織からのプロテオーム解析による新規唾液腺がんマーカーの開発
Project/Area Number |
24792179
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
根岸 綾子 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70549972)
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Keywords | プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究は唾液腺がんのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を用いて詳細なプロテオーム解析を行い、唾液腺がんの予後や遠隔転移を予測できる新規バイオマーカーを見出すことを目的とし、前年度までに唾液線がん患者から得られたFFPE組織の30検体からタンパク質をペプチドとして抽出し、質量分析装置での測定を開始している。今年度は、得られたペプチドの質量とイオン強度を、独自に開発した高速計算用並列コンピュータシステムを用いて定量化し検討したが、非特異的タンパクとしてのHistonが多く認められ、目的とするようなマーカータンパクは同定されなかった。唾液腺がんの検討と平行して実施していた口腔扁平上皮癌の解析でも同様にHistonが多く認められたため、ペプチド抽出の処理を変更し、口腔扁平上皮癌症例の解析を先行して、再度質量分析装置での測定を行った。その結果、口腔扁平上皮癌の解析において、化学療法や放射線療法などの術前補助療法の抵抗性を予測する分子の候補としてgalectin-7タンパクを同定した。そこでgalectin-7の免疫組織染色を行い、術前治療抵抗性に関する予測式を得た。この予測式を用いて疾患特異的累積5年生存率を検討したところ抵抗性予測群で75.2%、感受性予測群で100%と有意差を認めた。galectin-7発現の意義を検討するため、口腔扁平上皮癌由来培養細胞にgalectin-7を強制発現させたところ、細胞増殖の抑制が認められたが、抗がん剤による増殖抑制に相乗的に作用することはなかった。galectin-7によるcaspase-3の活性化を観察したが、ごく軽度の活性化しか認めなかったことより、galectin-7は細胞増殖を停止するような働きを持つと推察された。続いて、唾液腺がんにおけるgalectin-7発現の有無を免疫組織染色にて検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Galectin-7 as a potential predictive marker of chemo- and/or radio-therapy resistance in oral squamous cell carcinoma.2014
Author(s)
Matsukawa S, Morita K, Negishi A, Harada H, Nakajima Y, Shimamoto H, Tomioka H, Tanaka K, Ono M, Yamada T, Omura K.
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Journal Title
Cancer Medicine
Volume: 3(2)
Pages: 349-361
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] The potential predictive marker of chemotherapy and/or radiotherapy resistance in patients with oral SCC2013
Author(s)
松川 祥, 森田圭一, 根岸綾子, 原田浩之, 中島雄介, 島本裕彰, 富岡寛文, 田中香衣, 尾野雅哉, 山田哲司, 小村 健
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜市
Year and Date
20131003-05
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[Presentation] 定量的プロテオーム解析による口腔扁平上皮癌の術前治療抵抗性予測因子の同定2013
Author(s)
松川 祥, 森田圭一, 根岸綾子, 原田浩之, 中島雄介, 島本裕彰, 富岡寛文, 田中香衣, 尾野雅哉, 山田哲司, 小村 健
Organizer
第37回日本頭頸部癌学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
20130613-14