2012 Fiscal Year Research-status Report
カテキンによる上皮増殖因子受容体蛋白分解の分子機構解明と口腔癌増殖抑制作用の検討
Project/Area Number |
24792196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉村 仁志 福井大学, 医学部, 講師 (40362917)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / タンパク質 |
Research Abstract |
【目的】上皮増殖因子受容体(EGFR)は頭頸部癌などの腫瘍にて発現や活性の変化が報告されており,癌治療における分子標的として位置づけられ,現在治療薬の開発と臨床応用が行われている.緑茶成分に含まれるカテキンには抗腫瘍効果を含めた様々な生理学的有用性が報告されており,中でもエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)は,in vitroにおいて腫瘍細胞の増殖抑制やEGFRのキナーゼ阻害作用が報告されている.今回我々はEGCGのEGFR蛋白質への影響を検討した.【材料及び方法】EGFRを発現しているラット血管平滑筋細胞を用い,EGCGの添加によるEGFRへの影響をウエスタンブロットにて評価した.また蛋白質合成阻害剤,プロテアソーム阻害剤,ライソソーム阻害剤を用いて蛋白質分解におけるEGCGの作用をウエスタンブロットにて評価した.またEGFRのユビキチン化についてウエスタンブロットにて評価した.【結果】EGCG処理によるPDGFRの細胞膜から細胞質への移行と処理2時間後でのEGFR蛋白質の減少を認めた.蛋白質合成阻害剤によりその減少は促進され,プロテアソームやライソソーム阻害剤によりその減少は抑制されるか検証中である.またプロテアソーム阻害剤添加後のEGFRの免疫沈降にてEGFRのポリユビキチン化が認められるか検証中である.【結論】EGCGはEGFRを蛋白質レベルにて減少させ,これは生理的蛋白質分解機構であるユビキチンープロテアソーム分解経路の活性化によることが示唆されており,これを検証中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EGFRを発現しているラット血管平滑筋細胞を用い,EGCGの添加によるEGFRへの影響をウエスタンブロットにて評価したしたところ EGCG処理によるPDGFRの細胞膜から細胞質への移行と処理2時間後でのEGFR蛋白質の減少を認めた.この条件にて実験を進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
学会に参加し情報収集に努める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
さらなるデーターの蓄積を図る.
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