2013 Fiscal Year Annual Research Report
塩基性線維芽細胞増殖因子・多血小板血漿徐放化ゼラチンハイドロゲルによる歯槽骨再生
Project/Area Number |
24792203
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 佳代 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20378714)
|
Keywords | 骨再生 |
Research Abstract |
徐放担体であるゼラチンは、血漿増量剤、外科用材料、薬物添加剤などとしての長い臨床実績を持ち、生体安全性が十分に裏付けされている。今回の研究では、ゼラチンハイドロゲルによる多血小板血漿(platelet rich plasma : PRP)の徐放化による骨再生を目的とする。PRPは血小板を高濃度に凝縮した血漿である。すでに、形成外科分野では難治性皮膚潰瘍などの治療に用いられており、また、PRPの口腔外科分野における骨再生への使用についてもこれまでに多数報告されてきたが、PRPの調整方法についての標準化は行われていない。 本研究では、PRPに含有されている代表的増殖因子(EGF,PDGF,VEGF,TGF-βなど)の含有量を指標とした標準化について検討し、また、活性方法についても検討した。そして、高度医療評価制度の下での臨床試験の実施と実用化を推進することを目標とする。従来法によるPRP調整の問題点は、①閉鎖系ではないための感染のリスク ②PRPの調整には多少の熟練を要し、精度の再現性に乏しいなどがあり、臨床応用には困難と思われた。そこで、本研究では全自動血液分離装置を用いることは、①滅菌された閉鎖系ディスポーザブルキットを使用することで、血液サンプルの汚染や感染のリスクを低減することができる。②全自動で行うため、手技の関係なく一定のPRP濃縮率が得られる。などのメリットがある。全自動血液分離装置を用いた増殖因子の含有量について検討し、今後の臨床応用に向けてのメリットが十分にあると思われた。
|