2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔内腫瘍病変の悪性化と環境因子の相関―TRPチャネルをめぐって―
Project/Area Number |
24792210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
榊原 晶子 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (00569866)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TRPVチャネル |
Research Abstract |
①正常粘膜におけるTRP-Xの発現様式の解析 手術の際に得られた口腔粘膜を一部採取し溶解液中でホモジェナイズを行い、total RNAを採取。Poly-Tカラムなどを用いてmRNAを抽出した後、逆転写酵素を用いてcDNAライブラリーを作成。TRP-Xに対する特異的プライマーを用いて2.に対してPCRを行い、その発現を確認。設計を行ったPCRプライマーが有効であることを確認した後、プローブ法を用いてreal time PCRを施行。 ②口腔内扁平上皮癌におけるTRP-Xの発現解析および部位別評価 ①同様に口腔粘膜癌を3部位に分類する。切除により得られた腫瘍病変を一部採取し、total RNAを採取した後にcDNAライブラリーを作成。プライマーにてreal time PCRを行い、腫瘍病変におけるTRP-Xそれぞれの発現量を数値化。発現量の解析には、まず、actinの発現量を基準として各TRP-Xの発現量を検討し、求められた正常口腔粘膜におけるTRP-Xの発現量を基準として、腫瘍病変における発現量を相対値として求める。 結果としては腫瘍性病変でTRPVが多く発現しており、正常粘膜では発現が少ないことが分かった。やはり、温度刺激により、口腔腫瘍の発生頻度が上がることが示唆される結果となっている。今後も検体の収集を継続し、母数を増やす。また、PCRの反応温度を変更するなどし、TRPVチャネルの発現が再現性のあるものかどうかを確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常粘膜と腫瘍性病変のTRPVチャネルの発現について研究を進めているが、症例数によるところが大きく、母数約10例と、予定していた30例は満たせていない。今後も検体の収集を続け、研究を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
現状で、検体数は10例程度ではあるが、予測されていた結果が得られている。腫瘍性病変では正常粘膜に比較してTRPVチャネルの発現量が増加している。今後も検体数を引き続き得ながら継続する。また、PCRの反応温度調節を行い、発現量が再現性のあるものかを確認していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に消耗品や薬品に使用する。PCRの精度を上げるよう、サーマルサイクラーが老朽化しており、購入する予定である。
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