2012 Fiscal Year Research-status Report
卵母細胞処理口腔扁平上皮癌細胞のエピジェネティックなリプログラミングの検討
Project/Area Number |
24792217
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福井 康人 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (90363085)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歯学 / リプログラミング / 卵母細胞 |
Research Abstract |
両生類の卵母細胞抽出液はDNAメチル化とヒストン修飾異常を修復する能力を有していることが報告されており、両生類の卵母細胞抽出液にて処理された肺癌細胞株では、脱腫瘍化(リプログラミング)生じたことが報告されている。本研究は、口腔扁平上皮癌細胞株に対して、アフリカツメガエル卵母細胞および卵細胞抽出液を処理することによって、腫瘍細胞のリプログラミングが可能か否かに関して検討を行い、口腔扁平上皮癌細胞の癌化のメカニズムを解明するし、さらに特定遺伝子・分子を標的とした口腔癌の診断・治療法の確立を目的とした。 まず、アフリカツメガエルの卵母細胞および未授精卵からの抽出液をHutchisonらの方法に準じて抽出を行い、以下の実験に用いるよう準備した。次に、当研究室で樹立した口腔扁平上皮癌株KO,UE,KN(無血清培養下で培養した細胞株)における癌抑制遺伝子(プロモーターの高メチル化が報告されている。p15、p16、MGMT、DAP-K、RAR )の発現をRT-PCRを用いて検討を行い、これらの癌抑制遺伝子の著しい発現低下もしくは発現消失を認める細胞株を続く研究に用いる予定であったが、いずれの細胞株にも上記のがん抑制遺伝子の発現を認め、いずれの細胞も本研究への適応は困難であった。そこで、現在、他の細胞株の使用ならびに口腔癌に発現を認める、癌抑制遺伝子p16INK4A、E-cadherin、MLH1の発現を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
使用を予定していた細胞株に癌抑制遺伝子が発現していたことより、研究材料(細胞株)を大きく見直す必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
他の細胞株を使用、他の癌抑制遺伝子の解析を検討している。また、適当な細胞株や癌抑制遺伝子が見つかり次第、卵母細胞および未受精卵抽出液処理による口腔扁平上皮癌細胞株の癌抑制遺伝子発現の検討、抽出液処理による癌抑制遺伝子のCpG領域の脱メチル化の検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に消耗品、細胞培養や遺伝子解析に必要な試薬等を購入予定である。
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