2013 Fiscal Year Research-status Report
加齢による唾液腺機能低下に対するアンチエイジング療法の構築
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24792223
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山村 佳子 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (00581406)
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Keywords | 唾液腺 / アクアポリン5 |
Research Abstract |
6週齢(C57BL/6CrSlcマウス、雌性)を用いて、加齢(生後6週から24週までの間)に伴う唾液分泌量を計測した。加齢マウス(24週齢)の腹腔内に1mg/kgのデシタビン(DNA脱メチル化剤)を3週間投与し、デシタビン投与マウスにおける経時的唾液分泌量を測定した。また、唾液腺(顎下腺・耳下腺・舌下腺)組織の腺房細胞におけるAQP5の発現をWestern blot法と免疫組織化学染色にて検討し、唾液腺組織ゲノムDNAにおけるメチル化レベルについて解析した。 その結果、マウスにおいて加齢に伴い、唾液分泌量は有意に減少した。加齢マウスにおいては、デシタビン投与により唾液分泌能の回復を認めるとともに、唾液腺組織におけるAQP5蛋白の発現はコントロール群と比較して、著しい増強が認められた。さらに、6週マウスと比較すると27週マウスではAQP5蛋白の発現は低下しており、このことにより唾液腺組織においてAQP5蛋白の発現は加齢に関連して減少することが示唆された。免疫組織化学的染色により腺房細胞の管腔側にAQP5の局在が認められ、デシタビン投与群では腺房細胞のapico-lateral側にAQP5の発現増強が確認された。唾液腺組織におけるゲノムDNAのメチル化レベルは、加齢に伴い高まることが明らかとなった。そしてこのメチル化レベルはデシタビン投与によりコントロール群と比較して低下することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年25年度の研究実施計画に基づき研究を遂行しており、結果も上記のように示される。よって、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
AQP5遺伝子プロモーター領域でのDNAメチル化を確認する。Bisulfite sequenceを行い、PCRにて発現を検索する。また、肺、腎臓、骨髄など、臓器に対する有害事象についても検討する。さらに、局所投与についても検討し、至適濃度を探る。 本来の研究実施計画に基づいて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に基づいて、遂行しているため、以下の目的で使用するため。 AQ5遺伝子プロモーター領域でのDNAメチル化を確認するため、PCRを行う。その試薬を購入予定である。また、臓器に対しての有害事象を検討するために、標本の作製を行うための機材と試薬の購入を予定している。
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Research Products
(7 results)